デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

感想

大人なら知っておきたい「世界史」を映画で学ぶ

// 学校の歴史の授業がつまらないのは、2つの理由がある。 第一に、事実の羅列に終始しがちなこと。その時代を生きた人々のドラマを感じることはできないし、「人間社会はどのような仕組みで動くのか」という体系的なメカニズムを学ぶこともできない。 第二…

『ファインディング・ニモ』でお話作りを学ぶ

// 『ファインディング・ニモ』は、脚本の教科書に必ず登場する映画の1つだ。安心・安定のディズニー&ピクサー映画。現代的な「お話作り」の基本がすべて詰め込まれているような作品だ。映画としても文句なしで面白いので、お話を書くことが好きな人は観て…

ニッチを束ねて市場を作れ/Amazonに勝つ方法

今さらながらクリス・アンダーソン『ロングテール』を読んだ。正直なところ、あまり目新しさは感じなかった。内容が陳腐だからではない、本書の予言がほぼ的中したからだ。小売業界にとってAmazonの登場がいかに革新的だったか。そして、業界をどのように変…

ハリウッドのアクション映画と脚本革命

私は映画の感想を書き溜める習慣がある。 その中から、今回は5本の映画の感想をブログに転載したい。 『北北西に進路を取れ』 『リーサル・ウェポン』 『ビバリーヒルズ・コップ』 『クリムゾンタイド』 『ボーン・スプレマシー』 以上の5本だ。 北北西に進…

『アナと雪の女王』と『ベイマックス』と神話

先日、『アナ雪』を観た。 びっくりするほど面白かった。 白状すれば、あまり期待していなかったのだ。というのも、飲み友達の野郎どもがディスりまくっていたからだ。本当、いい意味で裏切られた。まあ、あの男どもが『アナ雪』をディスりつつ『ベイマック…

映画『エリン・ブロコビッチ』が面白かったので感想書く

// 『エリン・ブロコヴィッチ』を観た。 もしもあなたがこの映画について何も知らないなら、おめでとう! 今すぐブラウザを閉じてTSUTAYAへダッシュだ! あらすじも調べなくていいからとにかく黙って観ろ級の傑作。130分の上映時間があっという間だった。 エ…

中国が世界制覇できなかった理由を「Civilization」から考える

// ニコニコ動画に投稿されている「17,000ヘクスの地球の歴史」というシリーズがとても面白い。 『Civilization』シリーズは、天才的ゲームデザイナーのシド・マイヤーが生み出した戦略シミュレーションゲームだ。プレイヤーは様々な文明の指導者となって、…

なぜ宗教で殺し合うのか/映画『アレクサンドリア』感想

2009年のスペイン映画『アレクサンドリア』を観た。ローマ帝国の衰退期に活躍した女性天文学者ヒュパティアの物語。地動説を研究していた彼女は、最終的にキリスト教徒によって処刑されてしまう。古代ギリシャに端を発する優れた知識・哲学の数々が、キリス…

見なきゃ損!クルマ映画の金字塔『ワイルドスピード』

先日、ひさしぶりに『ワイルドスピード』の第1作を見た。正直、目を疑うほど驚いた。ハリウッドのお約束からすれば、わりと滅茶苦茶な脚本だ。なのに、しっかり面白い。初めて見た高校生のころは分からなかったけれど、この映画の脚本は研究する価値がありそ…

あの人がいつも間違ったことを言う理由。/ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』感想

まずは簡単な算数の問題を1つ。 チョコレートとガムは合わせて110円です。 チョコレートはガムよりも100円高いです。 ガムの値段はいくらでしょう? どうだろう、すぐに正解が分かっただろうか? 行動経済学者ダニエル・カーネマンは、これとよく似た問題を…

2015年に観たアニメ個人的まとめ

ヒトの脳は時間を正しく認識できない。 印象深いできごとはつい最近起きたように感じるし、新しい情報にたくさん触れると時間の流れを遅く感じる。初めて歩く道は実際よりも遠く感じ、子供のころは1日が長い。時間の認識がこれほどいいかげんなのだから、気…

『オーバーロード』と『レイアース』とRPG

洗濯が終わるまでヒマなので、『オーバーロード』と『魔法騎士レイアース』とJRPGの話をしよう。 ■脳筋ヒロイン 最近、基礎教養だと思ってアニメ『魔法騎士レイアース』を見ている。第7話まで消化したけど、さすがに面白い。これをリアルタイムに見ていたら…

東京ゲームショウはインディーゲームで遊べ!

東京ゲームショウ2015に行ってきた。 子供のころに比べて、ゲームは「遠い世界」になってしまったような気がする。 かつては、おもちゃ屋の片隅に試遊機が置かれて、近所の小学生が列をなして遊んでいた。ゲームショウではすぐ隣に開発者が紛れ込んでいて、…

最強の「プロの犯行」/塚本晋也監督『野火』感想

ニコニコ動画の黎明期には「プロの犯行」というタグが流行った。 第一線で働いている(であろう)プロのクリエイターが、ニコニコ動画に高品質な作品を投稿していた。「野生のプロ」「振り込めない詐欺」……当時のニコ動には、混沌とした熱気が満ちていたよう…

面白いシナリオって何だろう?

恥ずかしながら未見だった『パルプ・フィクション』を見た。 なんか、今、色々と考えてしまった。 やっぱりデヴィッド・フィンチャーはすごいんだなーとか、そういうこと。 なんていうか、『ファイトクラブ』って最近流行りの脚本の方向性を決めた作品のよう…

自分の小ささを知る小説/『縮みゆく男』リチャード・マシスン著

リチャード・マシスン『縮みゆく男』を読んだ。スゴ本2014年ベストにも名を連ねていた作品だ。まったく、とんでもない小説を読んでしまった……。 『縮みゆく男』の主人公は、ある日を境に1週間できっちり1インチずつ身長が縮んでいくようになる。職場で大人と…

2014年に観たアニメ個人的まとめ

アニメと現実世界の壁が崩れようとしている。 私の妄想の話ではない。聖地巡礼が当たり前になり、政府が「クールジャパン」を掲げる時代だ。アニメは市民権を得つつある。 技術革新によりプレスコ作品をかんたんに制作できるようになり、さらに『みならいデ…

そうだ、SFってこういうものだった。/『インターステラー』感想

// 忘れかけていた「あの気持ち」を思い出させてくれる映画だった。 『インターステラー』はあまり難しく考えずに、童心に帰って観ることができる映画だ。クリストファー・ノーラン監督の作品にしては珍しい。エンディング・クレジットが終わり、劇場が明る…

『中二病でも恋がしたい』とは何だったのか

『中二病でも恋がしたい』はハーレムラノベものではない。 たとえば今期のアニメなら『六畳間の侵略者!?』等と比較すれば明らかだ。ヒロイン全員が主人公に対してラブ光線を出すのではなく、あくまでも主人公カップルとそれを見守る友人たちという構図にな…

夏だ!ホラーだ!スティーヴン・キングを読もう!

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 夏といえば怖い話だ。そして、怖い話といえばスティーヴン・キングである。 1974年に『キャリー』でベストセラー作家の仲間入りを果たしたキングは、今なおヒットメーカーの座を守り続けている。日本の…

オタクは「右翼」が好きなの?/『シドニア』と『ガルガンティア』の比較

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); ニコニコ動画でアニメ『シドニアの騎士』を見ていて、のけぞってしまった。「サヨクなのにシドニアを見てる人がいるの?」というコメントが流れてきたのだ。 たしかに『シドニアの騎士』はオープニング…

All You Need Is Killでハリウッドにありがとう

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 『All You Need Is Kill』を見てきた。日本のライトノベルが原作の映画だ。ハリウッドにありがとうしないといけない作品だと思った。 原作を最大限にリスペクトしながら、間口の広い娯楽大作に仕上げて…

おすすめカリフォルニアワインをワイナリーで飲む/米国訪問記(4)

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 世界でいちばん美味しいワインができる地域はどこだろう? 味の好みは人それぞれだが、いちばん「ハズレ」が少ないのはカリフォルニアだ。アメリカのワイン生産量はイタリア、フランス、スペインに次い…

アメリカを食べ尽くせ!/米国訪問記(3)/サンフランシスコ、ニューヨーク、おすすめレストラン&カフェ

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 何を食べても、普通に美味しかった。 今回訪ねたサンフランシスコとニューヨークはどちらも国際都市で、世界中のウマいものが集まっている。それに加えて、現在の日本人は味覚の西洋化が進んでいる。数…

ニューヨーク、21世紀が始まった場所。/米国訪問記(2)

エンパイアステートビルもロックフェラーセンターも後回しにして、私は911メモリアル・パークを訪ねた。なぜなら、そこが「21世紀の始まった場所」だと思うからだ。 20世紀は1904年2月8日の旅順港で始まった。日露戦争は世界初の国家間の近代戦争であり、「…

可愛いは、正義。/「美少女日常系」の作り方

放映中のアニメ『ご注文はうさぎですか?』がすごい。 何がすごいかといえば研究されつくされてる感だ。いわゆる「日常系」に欠かせない要素を分析・研究して、絶対にウケるコンテンツとして練り上げられている。秋葉原の中央通りには『ごちうさ』の巨大な広…

なぜ『チェインクロニクル』は面白いのか?

スマホアプリのゲームなんて、ポチポチ系のソシャゲに毛が生えた程度のものだと思っていた。だから『チェインクロニクル』を遊んだ感想を一言でいえば「びっくりした」になる。こんなにしっかり作り込まれたゲームを、スマホのアプリで、しかも無料で遊べる…

仕事が楽しくなる(?)アニメ5選

私はオタクではないのだが、就職してからはテレビアニメをよく見るようになった。 理由は3つある。まずWEB配信されているものが多く、時間を選ばずに見られること。24分で終わるため、朝の出かける前や帰宅後のわずかなスキマ時間にも楽しめること。そして何…

『アサシンクリード3』を1年4ヶ月かけてクリアした話

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 先日、ようやく『アサシンクリード3』をクリアした。 すでに『アサシンクリード4 ブラックフラッグ』が発売されており、周回遅れでのクリアだ。3を遊ぶためにわざわざアメリカ独立戦争史を勉強しなおす…

2013年に観たアニメ個人的まとめ

個人的には、アニメの技術の向上を実感した一年だった。 私はアニメを見るようになってから日が浅いが、それでも数年前に比べて映像が格段に美麗になっていると感じる。見るに耐えないほどの作画崩壊は滅多に起きなくなり、一昔前の劇場アニメと同じくらい緻…

お金で買っていいモノ、買ってはいけないモノ/『のんのんびより』第10話の感想

アメリカの小学校の話だ。 読書の習慣をつけさせる実験として、8歳の子供に本を1冊読むごとに2ドルを与えたという。 みなさんはこの実験をどう感じるだろう? 「読書の習慣が身につくなら、きっかけがカネでもいい」と考えるだろうか。それとも「読書は本来…

作業用BGMのアニメ&ゲームソングまとめ

私は何か作業をするときは、必ず音楽をかけている。そういった「作業用BGM」にはアニメやゲームに関わるものも多い。なかでもCD等を買い集めてヘビーローテーションで聴いている音楽について、作曲家ごとにまとめてみた。今回は自分のための備忘録的な記事だ…

サブカルチャーの閉塞感は電子書籍が吹き飛ばす!/KDP『美少女キケン』感想

KDPをご存じだろうか? KDPとは「Kindle・ダイレクト・パブリッシング」の略で、Amazonの提供している電子書籍の出版サービスだ。誰でもかんたんに、それこそブログを更新するような手軽さで電子書籍を販売できる。同人誌や自費出版の新しい形として、Kindle…

【ネタバレ】[新編]叛逆の物語の感想/魔法少女まどか☆マギカ

マミさん? …マミさん! ふわぁぁあああ待ってたよぉぉおお会いたかったよぉぉおおマミさーん! マミさん、マミさん、マミさん、マミさぁぁああん! マミさんマミさん…あぁ…マミさん…アラサーのマミさんも好きだけど今のマミさんも好きだぁぁああ!結婚して…

お前ら電子書籍リーダーを使ってみろ、色々と捗るぞ。/青空文庫のオススメ10選

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 先日、Kindle paperwhiteを購入した。 あまりの便利さに涙が出るほど感動した。 私はもともと「紙派」で、電子書籍に対して食わず嫌いを起こしていた。しかし分厚いハードカバーの本を気軽に持ち歩ける…

イケメンの競演にメロメロ!/映画『ガタカ』感想

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 映画『ガタカ』をついに見た! 恥ずかしながら未見だったのだけど、なんだこの映画ちょー面白い! ふはー!! 腐女子・腐男子の諸君! もしも『ガタカ』を見ていないなら絶対に見るべきだ! イケメンが…

汝はヒーローなりや?/『ガッチャマンクラウズ』の宿題

物語における「ヒーロー」は、時代や世相に応じて変化を続けてきた。『ガッチャマンクラウズ』に描かれたヒーロー像を、今回は2つの軸から考えてみたい。 1つは「ヒーローが戦うのは社会秩序を守るためか、それとも壊すためか」だ。前者であれば敵は犯罪者─…

『ガッチャマン・クラウズ』と現代

だから、彼らにはたとえで語るのである。それは彼らが、見ても見ず、聞いても聞かず、また悟らないからである。――『マタイの福音書』 「アニメ『ガッチャマンクラウズ』は目新しいガジェットを詰め込んだだけの駄作だ」という意見を目にした。SFは未来像を示…

「まだ死ねない」という感覚/マンガ『アイアムアヒーロー』感想

「絶対に読め」と言われていた。 「絶対に読んでやる」と思っていた。 ほかの用事に忙殺されて、なかなか手に取れなかった。想像以上の傑作だった。 『アイアムアヒーロー』は現代日本を象徴するようなマンガだと思う。たしかに読む人を選ぶ作品だし、第1巻…

『翠星のガルガンティア』と古くて新しい「自由」

アニメ『翠星のガルガンティア』のシナリオが面白いのは、「自由主義と家族」と「全体主義と組織」が対立する構造になっていることだ。自由と家族(含む家父長制)は、対立する概念として捉えられることも珍しくない。にもかかわらず、脚本家は自由と家族を…

150年前のラノベ作家・ディケンズ/『二都物語』感想

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 長く愛される物語には、理由がある。現生人類が誕生してから20万年、しかし文明が起こってからは数千年しか経っていない。100年前、200年前など、つい昨日のことにすぎない。こんなわずかな期間でヒトの…

最近読んだ3冊のスゴ本

本屋の「ビジネス」とか「経営」という棚には、自己啓発的な本が多い。そういう本はあまり好きじゃなくて、意図的に避けていた。けれど、食わず嫌いはよくないねという話。めちゃくちゃ有名な本を3冊、最近、集中的に読んだ。たくさんの人に読まれてる本に…

『ラブライブ!』第13話と花田十輝の「一筆書き」能力

本当に面白かった。全13話の構成が完璧すぎて、あとから何度も見直して研究したい。 とくに最終話は、花田先生の登場人物に対する理解力に舌を巻いた。スクールアイドル「μ’s」のメンバーは9人だが、これって、わりと多い。2クールのアニメなら、一人ずつ…

『たまこまーけっと』第3話と「たまこ型主人公」について

いまさらながら『たまこまーけっと』第3話について。 『たまこまーけっと』の第3話、すごくいいな。こういうお話は大好き。主人公の「たまこ」が他の誰かを成長させて、それを通じて「たまこ」自身も(ちょっぴり)成長する。たまこは、自己実現を最終目標…

2012年に観たアニメ個人的まとめ

昨年のような大当たりの年ではないが、佳作・名作のたくさんある年だった。劇場版では『ストライクウィッチーズ』や『まどか☆マギカ』があり、なによりも『ヱヴァQ』があった。昨年の『まどか』『タイバニ』や劇場版『けいおん!』のような超ド級の話題作は…

“絶対に”おもしろい野球漫画/『神様がくれた背番号』感想

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「絶対に面白いお話」の条件は、ログラインが面白いことだ。 ログラインとは脚本用語のひとつで、お話の要点を1〜2行にまとめたモノのことを言う。ハリウッドの映画プロデューサーたちは多忙なため、…

時代に選ばれた物語の魔術師/遠藤浅蜊『魔法少女育成計画』感想

腰を抜かすほど面白かった。 睡眠時間を削ってまで「続きを読みたい!」と思ったのはひさしぶりだ。ラストの数ページでは「読み終わるのがもったいない」とまで感じた。濃密な読書体験を味わうことができた。かわいい表紙に騙されたらダメだよ? 魔法少女育…

レールを失ったロスジェネ世代、レールを作るゆとり世代

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); ロスジェネ世代とは、就職氷河期(1993年〜2005年)に学校を卒業し、社会人になった世代のことを言う。つまり、1970年代半ば生まれの人たちだ。一方、ゆとり世代とは2002年度学習指導要領による教育を受…

スティーブン・キング『THE MIST』感想

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「原作厨」という言葉がある。小説やマンガなどが原作の映像作品を観たときに、原作とのわずかな差異も許さない。そういう原作至上主義者のことを「原作厨」と呼ぶ。私も宮部みゆきの某作品の映像版を見…

あなたは「人から笑われない趣味」を持っていますか?/小説『アニソンの神様』感想

オタクに対する「偏見」って、いまだにあるのだろうか? 私にはよく分からないが、世間的には「ある」ということになっているらしい。ネットを眺めれば、いわゆるオタクをこじらせた人がたくさんいる。どうせ自分は社会の日陰者だよ……と、ヒネクレテしまった…