デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年に観たアニメ個人的リスト

2011年はアニメの当たり年だった。コクリコ坂からビジュアルガイド?横浜恋物語?作者: スタジオジブリ,ニュータイプ出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2011/07/16メディア: 単行本 クリック: 21回この商品を含むブログ (18件) を…

結婚願望はお餅でしょうか?

同僚「俺こないだ結婚したんだ」 ぼく「それはおめでとう。奥さんはどんな人?」 同僚「前にも話した彼女だよ。大学院の後輩。24歳」 ぼく「大学って、N県だよね?」 同僚「そうだよ」 ぼく「それじゃ今は別居婚?」 同僚「いや? 一緒に住んでるけど?」…

日本のブルーカラーは世界一!海外でこそ正当な評価を得られる/脱・学歴社会に必要なもの

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「学歴だけが人生じゃない」と言う大人は多い。そういう大人たちは、日本経済が右肩あがりだった時代に育った。中卒でもそれなりの将来を夢に描ける楽観的な時代だった。職業には貴賤があるという「現実…

クルマの未来とソーシャル・ドライブ/東京モーターショーの今さら過ぎる感想

充分に発展しモノであふれた先進国では、モノを売るのではなく体験を売らなければ商売にならない、みたいなことを偉いマーケティングの先生がゆっていた。ここ数年のマーケティング業界の通説になっているんじゃないだろうか。そして自動車業界も例に漏れな…

好奇心が世界を救う/この分断に満ちた時代に

小学生のころ、障碍者養護施設の見学に連れて行かれたことがある。教師の先導で“恵まれない人たち”の生き様を学びながら、映画でも見ているような気持ちになったのを覚えている。社会科見学は非日常の時間だ。目の前の現実が、日常と地続きのものだと思えな…

国が変わるということの意味/金正日の死に思うこと

ヨンホは目を覚ました。 両親は寝静まっているようだ。平壌の冬は冷える。カーテンの隙間から差し込む月明かりに、吐く息がぼわりと白く照らされる。このマンションには、お婆ちゃんちのような床下暖房(オンドル)がない。ヨンホは寒くてイヤなのだけど、お…

これからの時代、「ビジネス」よりも「商売」だ! ――たぶん。

※この記事は移転予定先のブログに転載済みです。 いわゆる「社畜」の何が哀れかといえば、会社から無茶を言われたときに「そんなん言うならやめます」と言い返せないことだ。サービス残業のせいで恋人とのデートに行けなくなり、強制的な飲み会のせいで欲し…

「楽しい!」を仕事にしよう。/知的労働の急激な陳腐化とゲーム化する「仕事」

就活デモの悲痛さは、参加者が既存の「勤労」に疑問を持ちながらも、「雇われる」という生き方のロールモデルしか持っていないところにある。 「大学でしっかり勉強してもいいだろう?」 「新卒一括じゃなくてもいいだろう!?」 ――と、口にしながら、二言目…

私たちが「豊かな生き方」をするのに必要なもの/競争でも平等でもなく、多様化を!

※ツイッターでつぶやいたネタを再編。 “It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent that survives. It is the one that is the most adaptable to change.” ――――Charles Darwin 「教育の現場に競争原理を持ち込むべき…

【ネタバレ】劇場版『けいおん』に込められた山田監督のメッセージ【注意!】

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 劇場版『けいおん!』が素晴らしかった。 山田尚子監督にとって今作が初の劇場作品だという。けれどまったく飽きさせず、2時間があっという間。このシリーズに限らず、今後の作品がすごく楽しみだ。西川…

知識ゼロから学ぶオリンパス事件/損失隠しの手口とは!?

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); ※中高生・就活生・簿記を勉強しないまま大人になってしまった社会人の方に向けた記事です! ※間違い等お気づきの点があればご教授ください。 続編のようなモノ:知識ゼロから学ぶ簿記のきほん/おこづか…

「家族」とは、いちばん最初の共同体/『輪るピングドラム』第20話の感想

「あの子は選ばれなかったのよ」 「え?」 「この世界は選ばれるか選ばれないか――選ればれないことは、死ぬこと」 アニメ『輪るピングドラム』が面白い。 監督の幾原邦彦さんは『美少女戦士セーラームーン』シリーズや『少女革命ウテナ』で一世を風靡した人…

なぜ福島のコメを食べなければいけないのか/日本人の「責任」と「権利」

被災地の農産物をめぐって、日本人の心が二つに引き裂かれている。 汚染を恐れる気持ちがある一方で、被災地の作物を避けるのは「風評被害」だ、けが人に鞭打つような恥ずべき行為だ――という空気が漂っている。病気や死を恐れるのはヒトとして当然だ。が、「…

【読書】ゆるいエンタメの皮をかぶった“完璧な”推理小説/『噂』荻原浩

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 噂 (新潮文庫)作者: 荻原浩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/02/28メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 64回この商品を含むブログ (174件) を見る10月には読み終わっていたけれど、今さら読書感想文。…

健康な老人と“かわいそう”な若者

不定愁訴というものがある。 とくに老人に多いのだが、なんとなく調子が悪い、体がだるい――と訴えて病院を受診する。それじゃあ検査をしてみましょうということになるのだけれど、疾患が見つからない。いたって健康だという結果になってしまう。医者も患者も…

匿名の人々が世界を動かす時代/ハッカー集団“アノニマス”の正体

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 国際的ハッカー集団のメンバーが、凶悪な麻薬カルテルに誘拐された。囚われた仲間を助けるため、ハッカーたちは「情報公開」を武器に敵を脅迫、みごと人質の解放に成功した――。 これはハリウッド映画の…

スケール感の違いを理解すれば誰とでも会話ができる/尺度の差に現れる個性

現世人類(ホモ=サピエンス)は過去に三回の大躍進を経験しており、1度目は五万年前ごろの氷河期のさなか、2度目は一万年前の農耕革命、3度目は4000年前の法典の発明だ――というエントリーを書いたところ(→こちら)、活版印刷の発明はどうなの?というご指…

北京のいま。/中国がすごいって言うけどなんぼのもんよー!

口先だけで「中国がすごい! 中国がすごい!」と叫ぶ“識者”は少なくない。「具体的にどうすごいの?」と訊ねると、さまざまな経済指標が提示される。数字の洪水だ。ぱんぴーたる私たちは分かったような分からないような気分になるのだけれど、誰だってバカだ…

グローバル化・IT化はただの社会変化ではない、人類史上の大事件だ。

※この記事は移転先ブログ「デマこい!」に転載済みです。 「紙の資料をエクセルへ打ち込むことに心血を注ぐ人がいる」という話をしたら、友人が飛びあがるほど驚いた。その友人は某ゲーム会社のクリエイターで、「んなもんコンピューターにやらせろよ」とす…

『空のかなたで菩提樹が』

――――我々はただ願うのみ。 我々は、ただ祈るのみ。 一 ◆ 現在(1) 最後の夜だった。 彼はしきりとワインを勧めた。きっと、酔わせたかったのだ。脳みそがぼうっとしているうちに、言いたくないセリフをすべて聞かせてしまおう――そういう魂胆だったのだ。 …

なぜデモは反社会的なのか/クチばかりで行動しない人たち

「なぜ日本の若者はデモをしないのか」という考察をたくさんの人がしている。いわく、学校教育と受験戦争で去勢されてしまっているから、とか。デモを先導しているのが反社会的勢力だから、とか。これらの指摘には一片の真実があるものの、本質を見抜けてい…

Appleに行く、と彼は言った。

友人のMに誘われて飲みに行くと、Yくんが来ていた。 場所は京都のどこかにあるアイリッシュパブ。時刻は21時を回ったところで、店内は酔客でごったがえしていた。二人は少し早めに飲み始めており、私が到着した時にはビールを片手にMacBook Airを覗きこんで…

世界的な格差是正デモが意味するもの/既得権にしがみついているのは誰?

「ウォール街を占拠せよ」運動は、先進国の若者が既得権を守るためのデモなのだという。今まで甘い汁を吸ってきたのだから、ちょっとぐらい所得が下がってもガマンしろ。貧乏人は黙れ――そんな意見を散見する。 だけど、なんかおかしくない? 疑問は二つある…

みんながウォール街を占拠したかった本当の理由

いま、人類がおかしい。 9月17日に始まった「ウォール街を占拠せよ」運動は、一斉行動日の10月15日を経て世界中に広がった。時間を遡れば8月、ロンドンでは不良たちが暴動を起こし、お台場ではフジテレビへの抗議デモが行われた。 低所得層の犯罪行為は以前…

『日燃鳥』

ひもす・どり【日燃鳥】 ①カラスの異称。 ②転じて、火が消えて炭になった様子のたとえ。 ◆ 小学生の頃、教祖になったことがある。 信者はたったの四人、小さな小さな新興宗教だ。当時は霊能力ブームで、テレビでは心霊番組が毎日のように放送されていた。ま…

「あした死ぬかもしれない時代」に生存率を高める方法/共同体を取り戻すには……?

東日本大震災の直後、日本全国の企業から救援物資や義援金が集まった。が、それらの配布がうまくいかなかったという。大きな避難所ほど物資の取りあいが起こり、義援金の分配もいまだに進んでいないらしい。「行政」は平時を前提としたシステムであり、身分…

数字に強いひと・弱いひと

『下町ロケット』で直木賞を受賞した池井戸潤さんが、日経新聞に短編小説を連載している。 池井戸潤 「七つの会議」 http://s.nikkei.com/pmnqYv これがすこぶる面白くて、いつも楽しみにしている。のだが、『経理屋稼業』という作品を読んで、私は目から鱗…

情報リテラシーについて/きけんな情報強者たち

ツイッターでつぶやいたネタを再編。 尊敬しているブロガーさんの1人・内田樹先生がこんなエントリーをお書きになっていた。 情報リテラシーについて -内田樹の研究室 http://blog.tatsuru.com/2011/09/16_1350.php いわく、情報格差が拡大している。かつて…

「製造業な新入社員」から学ぶべきこと/先輩ヅラできないよね、あんまし。。。

こちらのエントリーに触発されて書いてみた。 製造業は新入社員の仕事 -mizuiro_ahiruの日記 http://d.hatena.ne.jp/mizuiro_ahiru/20110914/p1 ◆ 時々拝読しているすくらむさんのブログが、ブラジルのルラ前大統領を褒めていた。 最低賃金の倍増など反貧困…

議論に強い人の3つの特徴/あいつは幼稚だと言われないために。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 議論の目的は「勝つ」ことではない。 相手を言い負かして自論を押し通すなんて、そんなのただのワガママだ。ゲームじゃないんだから、議論に勝ち負けなんてない。 では、議論の目的とは何だろう。 それ…