2012-01-01から1年間の記事一覧
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「行きたくねえな、インド」 テキサス出身の友人と夕食を食べていた。ステーキを切りながら彼はぼやく。 「マジで行きたくねえわ」 半月後、彼はインドに出張する予定だそうだ。私は首をかしげる。 「ど…
インドネシア共和国・ユドヨノ大統領の経歴がすごい。(※1) 陸軍士官学校を首席で卒業後、米国に留学してMBAを取得。「陸軍きっての秀才」と呼ばれ、ボスニア・ヘルツェゴビナ停戦監視においては国連軍の主席軍事オブザーバーを務めた。2004年に同国初の民…
オタクに対する「偏見」って、いまだにあるのだろうか? 私にはよく分からないが、世間的には「ある」ということになっているらしい。ネットを眺めれば、いわゆるオタクをこじらせた人がたくさんいる。どうせ自分は社会の日陰者だよ……と、ヒネクレテしまった…
一日が24時間であることを嘆いても意味がない。一日の長さが「所与の条件」だからだ。私たちは24時間をうまく活用することを考えなければいけない。グローバル化や少子高齢化も同じだ。ハードランディングを防ぐために手を尽くすべきなのは明らかだが、しか…
さて、私はオタクじゃないけど今夜はちょっとだけ『ゆるゆり』について語ろうか私はオタクじゃないけど。 ※知らない人のためにご紹介すると、なもり先生のマンガ『ゆるゆり』は、女の子たちの日常を描くゆるいコメディです。けいおん以降の流れを汲んでおり…
日本人は悲観的な性格をしているらしい。いつの時代のどんな人たちに訊いても、「治安が悪くなっている(ような気がする)」「凶悪犯罪が増えている(ような気がする)」と答えるのだという。不景気な民族だ。 ところが発生件数や発生率に注目してみると、殺…
最近の小学生は、魚が切り身のまま海を泳いでいると信じているらしい。夏目漱石は田んぼを指さして「あの青い草はなんだ?」と友人に訊いたという。都会の人間はジャガイモやカボチャの花を見分けることができず、田舎の人間には地下鉄の乗り方が分からない…
「この国には何でもある。ただ希望だけがない」と村上龍が看破したのは1998年のことだ(※1)。明治維新から太平洋戦争開戦までの時代、日本は欧州の列強諸国を追いかけていた。敗戦からバブルまでの時代、日本はアメリカの繁栄を追従していた。日本人にとっ…
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 世界は狭くなった。様々な国や地域の生活ぶりを、リアルタイムで覗き見できるようになった。言葉の壁はあるけれど、翻訳ソフトの高性能化は止まらない。マイケル・ジャクソンがWe are the Worldと歌い上…
私の趣味はボードゲームで、週末にはどこかのカフェかパブでサイコロを振っている。 ボードゲームはいい。年齢や社会的階層を超えて、いろいろな人と親しくなれる。そんなヘテロな友人たちと先日、夏休みの宿題について語り合った。お互いの思い出話を披露し…
8月11日のことである。 この日、東京の湾岸部はちょっとしたパニックに陥っていた。東京湾大華火大会とコミックマーケットが重なったのだ。花火大会の動員人数が例年70万人ほど、コミケ2日目の来場者数が約19万人、およそ90万人がちっぽけな埋め立て地に集結…
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「リア充」と呼ばれる集団は、よく考えてみると二つのグループに大別できる。 一つは社会的な行動様式を持ち、高所得層に食い込んでいるグループ。いわゆる「体育会系」だ。そしてもう一つは、ヤンキー…
中高生のころから歴史が苦手で、成績は低空飛行を続けていた。とにかく興味を持てなかった。最近になって、ようやくその理由が分かってきた。 中学・高校での歴史は「誰が」「何をしたか」を重視しすぎなのだ。 ある生物集団の生態を調べる場合、どの個体が…
友人のアメリカ人が憤っていた。 「日本のマスメディアはおかしい。どうしてシリア情勢をまったく報道しないの?」 彼はパレスチナ系移民の3世で、ダマスカスに親戚がいるという。 「CNNやBBCはきちんと報道しているし、アルジャジーラは生々しい死体の映像…
尊敬しているウェブライターの酒井英禎さん( id:elm200 )が、初音ミクについてこんなツイートをしていらっしゃった。 初音ミクを巡る状況は、まさに宗教的と呼んでもいいのではないかな…。彼女は、信仰する人々にとっては女神そのものなのだろう。デジタル情…
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 日本人であること以外に誇れるモノを持たない人は、極端なナショナリズムに染まりやすい。しかし、村田諒太が日本人だからといって、同じ日本人のあなたが金メダルを取ったわけではない。内村航平が日本…
子供たちの健気さに何度も涙腺がゆるんだ。子供は親を選べない。どんな不運に見舞われても、それ以上“下”へと落ちることを拒み、這い上がろうとする――それは強さだ。高潔さだ。恵まれた環境で安穏と育った人には、かんたんには身につかないものだ。 ルポ 子…
久しぶりに見た。 「2,000円、貸してくれませんか」 心底困り果てたという顔で、彼は道行く人に声をかけていた。よれよれのジーンズに色褪せたTシャツ。額には玉の汗が浮かび、伸びきった襟はアカで汚れている。京都駅の烏丸口、ヨドバシカメラの前だ。通り…
彼女の言葉に、私は絶句した。もう一人が「そうだよね」と相づちを打つ。学生時代の友人と三人で、新宿でランチを食べていた。彼女は念を押すように、口のなかで繰り返した。 「ふつうの人には、夢なんて無いんだよ」 隠れ房 新宿 http://r.gnavi.co.jp/g486…
『砂埃に浮かぶ孤島』 Rootport 著 頭から尿をかけられた。 わざわざ脚立を持ち出して、男はファスナーを下した。ほかの男たちがゲラゲラと笑う。椅子に縛りつけられたまま、明はじっと部屋の奥をにらみつけていた。こめかみの切り傷に生ぬるい液体がしみた…
先週末のコミックマーケット82で入手した『中性小説。』という同人誌が面白い。 中堅ライトノベル作家たちによる短編小説集だ。いつもなら書かせてもらえないようなお話を、編集者の目の届かない同人誌で思いっきり自由に書く。それがこのアンソロジーのテー…
先週の金曜日、首相官邸前のデモを取材してきた。 東京メトロ丸ノ内線に降りた瞬間、私は少し後悔した。明らかに空気がおかしい。駅の出口は一か所を残して封鎖され、そこらじゅうに警官や駅警備員が配置されている。改札を抜ける人々は、みんな緊張した面持…
先日、今敏監督の回顧展を見るために武蔵野美術大学の美術館へ行ってきた。監督の原点を知ることができたし、会場限定のグッズも手に入れることができて、とても満足度の高い展覧会だった。こちらについての解説・感想は、私よりも適任の方がどなたか書いて…
私たちが歴史から学ぶべき教訓は、「ヒトはがまんができない」ということだ。 一度おいしいものを食べてしまったら、もう不味いものは食べられない。暖かなベッドを覚えたら、もう洞窟では眠れない。私たちは欲求に忠実で、生活水準を下げられない生き物だ。…
今回の記事は「読前感想」――つまり、まだ読んでない本について取り上げます。日本唯一の“プロのニート”とお呼びすべきphaさんの新著『ニートの歩き方』です。たくさんの方が書評をなさっており、それらを読むだけでも面白い。近日中に必ず手に入れて拝読した…
ライトノベル系合同誌『JAS-SKY-MOKKOR 3』に参加しています!
その日、祖母は24歳だった。 夏の長崎――。朝から蒸し暑く、坂道にセミの声がわんわんと響いていた。空は快晴、しかし少しずつ雲が増えている。早朝から出ていた空襲警報は10時ごろに解除された。彼女は7歳下の妹と一緒に、もんぺ姿で家を出た。隣の戸石村ま…
子は親に似る。足の速い親からは、たぶん足の速い子が生まれるだろう。美人の娘は、おおむね美人だ。高学歴の親を持つ子供は、それなりの学歴を手にするはずた。教育への投資額や、読書・学習の習慣など、家庭環境が多大な影響を与えている。しかし、記憶力…
娯楽作品には、その時代の価値観が色濃く反映される。たとえば19世紀末、世界は急速な工業化を果たし、自然科学的な思想が広まった。宗教は力を失っていき、1885年にニーチェは「神は死んだ」と宣言する。神の創造物たる人類は、自分たちの創造主を倒してし…
政府はあの手この手で国民を貧困に押しとどめている。――汚職、不適切な経済政策、そしてときには国民を恐怖に陥れて。 この一文を読んだとき、現在の日本について書かれているのかと思った。 これはアフリカ、ジンバブエについてのレポートだ。私は第三世界…