デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

北京のいま。/中国がすごいって言うけどなんぼのもんよー!

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口先だけで「中国がすごい! 中国がすごい!」と叫ぶ“識者”は少なくない。「具体的にどうすごいの?」と訊ねると、さまざまな経済指標が提示される。数字の洪水だ。ぱんぴーたる私たちは分かったような分からないような気分になるのだけれど、誰だってバカだとは思われたくない。「うんうん中国すごいよねーGDPとかヤバイよねー」と、したり顔で話をあわせるのが関の山。裸の王様。




と、いうわけで実際に中国にいってきました。




うわーい! 初☆訪☆中! と浮かれるのもつかの間、知人のお仕事のお手伝いだったため、観光の要素はゼロで帰ってきた。ぐすん。
それでも移動中の車窓から見るだけで分かったわ。中国すごい。




     ◆ ◆ ◆





さっそく北京空港到着。世界でも有数の“人気空港”なのだとか。たしかにキレイで使いやすかった。



空港からクルマに乗って、いざ北京の市街地へ! ここは空港を出てすぐの場所にある料金所(?)



ちょっと離れた場所から見るとこんな感じ。どこもかしこも基本的に土地の使い方がゼータクだ。日本でいえば熊本みたいな感じ。首都なのに。さすが大陸。(熊本のヒトごめんなさい)



だんだんと……



北京の市街地が近づいてきます。



とてつもないクルマ社会。ベンツやアウディも少なくない。
現地で働く知人に尋ねたところ、ここ1〜2年は日本車やヒュンダイが目立つようになったのだとか。中産階級が一気に豊かになっているんだね。ナンバープレートの発行は半年待ちで、なにより「奇数日と偶数日」なんてのもあるのだそうだ。なにそれ? ナンバーが奇数のクルマしか走れない日、それが奇数日。ちょっと何を言っているのか分からない。クルマ多すぎヒト多すぎってレベルじゃない。




このあたりのマンションは1部屋数百万元するらしい。為替レートは1元=12〜13円ぐらいだ。後述するけれど、北京では10〜20元もあればたらふく昼ごはんを食べられる。日本のランチの相場を500円から1,000円だとすれば、だいたい1/5ぐらいの物価だと考えていい。つまり、これらのマンションは、かつて日本がバブルのころに存在した“億ション”のようなものだ。
しかも、このマンションが建っているのは四環路という道路沿いで、中心部からそれなりに距離がある。東京でいえば練馬区あたりだ。不動産の高騰っぷりが分かる。




日本の某大手スーパー系列のお店にて。中国の野菜なのに京野菜万願寺とうがらしにそっくりなのが面白くて、思わずカメラを向けてしまった。店員さんからジト目で睨まれたので、この一枚しか撮っていない。だけどスーパーの雰囲気は日本そっくりだった。陳列されている商品は世界標準のもの(ネスレ社の製品とか)に、少しずつ中国らしいものが混ざる感じ。何よりヨーロッパやアメリカで見かける「万引き許すまじ」みたいな鉄柵はなく、誰でも気楽に売り場に入れるのが印象的だった。
東日本大震災のあと、日本製の食品は輸入がストップしたままだという。放射能汚染が危ぶまれるからだそうだ。いつかの毒ギョウザの時の“仕返し”みたいな感じがしないでもないが、事故の影響は国際関係にまで確実に広がっている。




ああ……



これが……



バブルというものか……。
不景気世代ど真ん中の私には、見るものすべてがまぶしい。





このあたりは三元橋という場所で、外国の領事館職員などが多く住んでいる地域なのだとか。東京でいう六本木みたいなものかな。日本人も多い。ホテルから夜景を一枚。




そして、あくる日の朝焼け。



朝日に照らされる北京の街並み。




ホテルの窓から見下ろすと、お金持ち専用の住宅街とおぼしき地域があった。住宅街まるごと周囲を背の高い塀で囲ってあり、やたらとピカピカした黒いクルマが停めてある。中国における「億万長者の数」は、すでに日本のそれよりも多い。ピラミッドは底辺が広いほど、てっぺんも高くなる。




お昼ごはん。12元。すごく美味しいけれど塩分高め。お父さんには食べさせたくない。




その日の晩は、日本風居酒屋へ。けっこう有名なお店だそうで、在中日本人がそぞろに集まるのだとか。やっぱりトリスは安いなーって思う反面、昼ごはんの値段を考えると現地の一般人からすれば高級品になってしまう。




翌朝、ホテルのまわりを散策なう。
中国的なモノがなにか無いかなーって探していたら、




いました。中国的な三輪車。
これにミネラルウォーターのガロンペットボトルを山盛りにして運ぶヒトをよく見かけた。あと、この荷台をベッド代わりにして寝るヒトも。数え切れないほどの億万長者がいる反面、貧富の差は大きいのだ。




真ん中の茶色いジャケットのおばちゃんが乗っているのは「モーターチャ」という電動スクーターだ。日本のようにエンジン産業が発達したわけではないからか、電動のものがけっこう多い。電動バスとか。パリ万博的な未来を感じずにはいられない。
ちなみにこのモーターチャは日本製のスクーターと比べると暴力的なほど安価で、ヤマハやホンダは苦戦を強いられているそうだ。電気発動機の業界に日本メーカーがうまく食い込めなかったという事情もあるらしい。せまりくる石油の枯渇に備えて、世界中のメーカーが電動モーターやバッテリーの開発を急いだ。その頃、日本メーカーはハイブリッドに夢中だった。




なんかヒトが集まってる。。。



ピーナッツ的な何かをミルクみたいなモノでシェイクした飲み物を売っていた。豆乳かな? とにかく朝ごはん!




庶民の味方って雰囲気の食堂。中国人だけでなく、様々な肌・髪の色のヒトが利用していた。ここが外国人街なのだと実感。



うまそう。



北京ではヨー(漢字不明)という揚げパンのようなものを、伝統的に朝食で食べるそうだ。食堂の店先に出したこの中華鍋で、揚げたてをお客さんに振る舞うというわけ。味は・・・その・・・甘みも塩気もないドーナツといった感じで・・・うん、まあ、なにごとも挑戦って大事だよね!



そして北京空港に戻ってきた、なう。
あっという間だったけど、ものすごく内容の濃い旅でした。そして次回はぜひ観光がしたいです(切実




     ◆ ◆ ◆





中国を“後進国”と呼ばなくなったのはいつからだろう。
北京の現状を見れば、その呼び方が不適切だとよく分かる。たくさんのお金持ちがいて、天を穿つような摩天楼が広がっている。新興国とはよく言ったものだ。経済発展は目覚ましく、世界のどの都市にもひけをとらない立派な街だった。
ここまで発展してしまった以上、いつまでも人件費の安さを武器に“世界の工場”として儲けることはできない。かの国の指導者たちは、たぶん次の一手を考えているだろう。最近では在中外国人にたいする社会保険料の徴収がニュースになったが、ああいった「外国人追い出し政策」も、もしかしたら将来のための布石なのかもしれない。
その反面、貧富の差は大きく、物価も(日本に比べて)まだ安い。また地域格差はとてつもなく大きく、北京のような大都市の“市民権”は簡単には手に入らないのだとか。市民権がないと、こういう街には住めないのだそうだ。それって実質的な身分制度じゃねーの?
日本のような小さな島国でさえ、地域差は大きい。まして中国は(忘れがちだけど)多民族の大国だ。一枚板であるはずがない。日本では東京一極化が問題になっているけれど、中国での都市一極化は日本の比ではない。


少なくとも北京は完全にバブル状態。いつはじけるんだろうね。






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