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デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

貧乏になる人の特徴

// ■貧乏になる人の特徴 私には、わりと幅広い所得階層の友人がいる。有名大学出身の経営者や金融マンから、ワーキングプアのフリーターまで、様々な階層の人と付き合っている。そして、貧乏な人ほど「自分には運がない」とぼやく。 ところが、詳しく話を聞…

『けものフレンズ』とソシャゲアニメ成功の鉄則

// アニメ『けものフレンズ』が話題だ。 ソシャゲとアニメのメディアミックスは難しく、成功例が少ない。アニメ化でこれほど話題をさらった作品は過去に例がない。また、アニメ放映開始時点でサービス終了しているという点も前代未聞だ。 では、ソシャゲとア…

廃課金ソシャゲはもういやだ/2017年スマホゲーム業界の課題

// ■2017年、スマホゲーム業界の抱えた矛盾 ソーシャルゲームインフォの長谷部潤氏によれば、2016年には「これまでとは全く異なる性質を持ったユーザ層が、スマホゲーム市場に台頭し始め」たという[1]。 2015年までは、イノベーター理論でいうイノベーターや…

お金こそが奴隷を解放したという話

// 現代を生きる私たちは、しばしば「お金に支配されている」と感じる。 お金は、本来なら人間の暮らしを豊かにするために発明されたはずだ。にもかかわらず、お金があるせいで格差が生まれ、人々が苦しめられていると感じてしまう。 さらには、お金を稼ぐこ…

大人なら知っておきたい「世界史」を映画で学ぶ

// 学校の歴史の授業がつまらないのは、2つの理由がある。 第一に、事実の羅列に終始しがちなこと。その時代を生きた人々のドラマを感じることはできないし、「人間社会はどのような仕組みで動くのか」という体系的なメカニズムを学ぶこともできない。 第二…

「自由」は少子化の原因か?

// 日本においては、結婚が遅くなったことが少子化に大きな影響を与えている。そして、結婚が遅くなった理由は「ライフスタイルが多様化したから」と説明されることがある。 論理的には、この命題は正しい。 しかし、少子化を解決するうえでは何の役にも立た…

「8時間労働」は適切な長さか

// 社畜のみなさん、お疲れさま。 今日のあなたの労働時間は何時間だっただろう? ある人は定時退社をキメたことを誇るかもしれない。またある人は、長時間労働を自慢げに語るかもしれない。私たちは、勤勉は美徳だと教え込まれて育つ。身を削って働いていれ…

『ファインディング・ニモ』でお話作りを学ぶ

// 『ファインディング・ニモ』は、脚本の教科書に必ず登場する映画の1つだ。安心・安定のディズニー&ピクサー映画。現代的な「お話作り」の基本がすべて詰め込まれているような作品だ。映画としても文句なしで面白いので、お話を書くことが好きな人は観て…

イギリスのEU離脱とグレート・リセット願望

// 1944年7月、アメリカ・ニューハンプシャー州ブレトン・ウッズに連合国の代表が集まり、第二次大戦後の世界について議論した。米ドルが国際的な基軸通貨に選ばれたのはこの時だ。当時、偉大なる経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、米ドルではなく、…

ニッチを束ねて市場を作れ/Amazonに勝つ方法

今さらながらクリス・アンダーソン『ロングテール』を読んだ。正直なところ、あまり目新しさは感じなかった。内容が陳腐だからではない、本書の予言がほぼ的中したからだ。小売業界にとってAmazonの登場がいかに革新的だったか。そして、業界をどのように変…

本日発売!『女騎士、経理になる。』ができるまで

// イラストレーターたちの間では、作業工程を公開しあう文化があるらしい。 アマチュア同士はもちろん、プロの「神絵師」がノウハウを伝授してくれる場合もある。こういう協力・共創の関係が、日本の豊かな二次元イラスト文化の源泉かもしれない。 mazikano…

デキる人はみんな使ってる思考の枠組み/ティンバーゲンの4つの「なぜ?」

// 議論をしていて、「あれ?」と感じることはないだろうか。 たとえば「A説があるから、B説は間違いだ」と主張する人がいる。ところが、A説のどのような点がB説よりも優れているのか説明しようとしないし、そもそもA説とB説が同時に成立する可能性も…

ごはんに「ありがとう」と言うと腐らない、だって?

// なぜか科学と道徳は混同されがちだ。 先日、Facebookで「ごはんにありがとうと言う実験」がシェアされてきた。密閉容器2つにごはんを入れて、片方には毎日「ありがとう」と声をかけたそうだ。声をかけなかったごはんはドロドロに腐敗したが、声をかけたご…

ハリウッドのアクション映画と脚本革命

私は映画の感想を書き溜める習慣がある。 その中から、今回は5本の映画の感想をブログに転載したい。 『北北西に進路を取れ』 『リーサル・ウェポン』 『ビバリーヒルズ・コップ』 『クリムゾンタイド』 『ボーン・スプレマシー』 以上の5本だ。 北北西に進…

『アナと雪の女王』と『ベイマックス』と神話

先日、『アナ雪』を観た。 びっくりするほど面白かった。 白状すれば、あまり期待していなかったのだ。というのも、飲み友達の野郎どもがディスりまくっていたからだ。本当、いい意味で裏切られた。まあ、あの男どもが『アナ雪』をディスりつつ『ベイマック…

「心の理論」と物語の創作術

// 面白いお話を作るには、「心の理論」に精通している必要があるのではないかと最近よく考える。生得的なものであれ、後天的なものであれ、他人の外観から内面を推測する能力に優れていないと、お話作りは難しい。そういう能力をただ持っているだけでなく、…

なぜ賃金は上がらない?/人手不足倒産の原因

// 世の中には、人手不足と低賃金が両立してしまう分野がある。介護や警備、海運などだ。 なぜ労働の供給が足りないのに価格(=賃金)が上がらないかといえば、労働市場は「自由な市場」ではなく、需要と供給による価格調整のメカニズムが働かないからだ。…

ヒトに「本能」はあるのか?

ヒトに「本能」はあるのだろうか? たとえば「浮気は男の本能だ、だから浮気は許される」と主張する人がいる。たしかに、男性のほうが女性よりも浮気性な傾向があることは実験により確かめられている[1]。 だが、この主張は2つの点で間違っている。 まず第一…

男が産休・育休を取れない本当の原因

新入社員研修のときの話だ。 「わが社には、産休・育休制度があります。社内規定としては、男性も取得可能ということになっています」 40代の人事担当者は、淡々とした口調で言った。 「でも、みなさん。取らないでくださいね?」 当時、まだTwitterが普及し…

日本が植民地にならなかったわけ/日本の「すごさ」の源泉

// この画像はネット上に出回っているもので、第二次大戦前の世界地図だとされている。日本とタイ以外の地域はすべて欧米の植民地であり、日本が植民地化されるのも時間の問題だった。だから、日本は反撃に出るしかなかった──。この画像には、しばしばそんな…

中国が世界制覇できなかった理由を「Civilization」から考える

// ニコニコ動画に投稿されている「17,000ヘクスの地球の歴史」というシリーズがとても面白い。 『Civilization』シリーズは、天才的ゲームデザイナーのシド・マイヤーが生み出した戦略シミュレーションゲームだ。プレイヤーは様々な文明の指導者となって、…

ネットで見かけるよくある誤解

// 進化心理学は既存の文系学問の枠組みをぶっ壊すものだったので、様々な方面から批判を受けた。当然である。「イデオロギーが……ウフフ」とか「○○主義が……オホホ」とか語り合っているインテリ集団に、「生殖だーッ!」と叫びながら半裸で飛び込んできた蛮族…

なぜ宗教で殺し合うのか/映画『アレクサンドリア』感想

2009年のスペイン映画『アレクサンドリア』を観た。ローマ帝国の衰退期に活躍した女性天文学者ヒュパティアの物語。地動説を研究していた彼女は、最終的にキリスト教徒によって処刑されてしまう。古代ギリシャに端を発する優れた知識・哲学の数々が、キリス…

男にとってのセックスと女の結婚が等価値である理由

イケメンたちのあごが尖っている。 いわゆる『乙女ゲー』と呼ばれる女性向けゲームでは、男性キャラクターの輪郭が──とくに「あご」が尖って描かれがちだ。これはなぜだろう? もちろん二次元イラストには流行廃りはある。『ベルサイユのばら』の登場人物た…

ダイエットの参考にしたい(?)理想体型の男女差

先日、ニコニコ動画で『ドリームクラブ』というゲームの実況動画を見た。 このゲームの存在自体は以前から知っていたが、あらためて驚かされた。 何に? ムッチリしたキャラクターデザインに、である。 手足はわりと短めで、胴体は太めに描かれている。少女…

世界を変えるのに必要なもの

// 歴史をふり返るとき、私たちはイデオロギーや思想、主義・主張が世界を変えたと考えがちだ。ところが、心理学の研究が進むにつれて、私たちの考え方や行動には生まれながらの一定のパターンがあると分かってきた。 こうなると、疑問が湧いてくる。 思想や…

なぜいい歳したオヤジが女子高生を愛好するのか/男が若い女を好きな理由

// なぜ男は若い女を好むのだろう? それは、男がクソだから──。 と、言ってしまってはおしまいなので、もう少し深く考えてみたい。 俗説では「男が若い女を好むのは、若さが生殖能力の高さを示すからだ」とよく言われる。進化心理学者デビッド・M・バスも、…

「バブみ」とボヘミアン・ラプソディ

// わりと新しいオタク用語に「バブみ」という言葉がある。 二次元美少女に対して「母親になってほしい」と感じる感情のこと、らしい。 Twitterを開くと、いい歳した男性たちが、自分よりもはるかに年下(という設定)のキャラクターに向かって「ママー!マ…

稼げる人と稼げない人の違い/人材不足と低賃金が両立する理由

// 世の中には、人材不足と低賃金が両立してしまう業界がある。 たとえば介護や警備の仕事が代表的なものだろう。最近では、船員の人材不足により日本の海運業がヤバいという増田記事が注目を集めていた。船員の給与はそれほど低くはないが、労働環境のキツ…

パナマ文書と、なぜ赤字国債が膨らんだのかという話

そう、今さらである。 今さらながら、パナマ文書について語りたいと思う。 フランスの経済学者トマ・ピケティによれば、最も裕福な上位1パーセントの人々が、世界の富の半分を所有しているという。最も裕福な上位0.1%の人々だけでも、世界の富の20%を所有…

女の「上昇婚志向」と、モテない男について

// 「日本の男女平等が進まないのも婚姻率が低下するのも、女性の上昇婚志向が悪い」という意見をたまに目にする。 上昇婚とは、夫の所得や社会的地位が、妻のそれよりも高いカップルが結婚することを言う。現在の日本では、女性の社会進出が進んだと言われ…

男がペニスの大きさを気にする理由を進化論で考える

// なぜ男はペニスは大きさを気にするのだろう? 一見するとバカバカしい疑問だが、じつはかなり奥が深い。ヒトは霊長類のなかで、もっとも巨大なペニスを持つ動物なのだ[1]。 勃起したペニスはゴリラでは3cm強、オランウータンでは4cm弱。ヒトに最も近いチ…

あの人がいつも間違ったことを言う理由。/ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』感想

まずは簡単な算数の問題を1つ。 チョコレートとガムは合わせて110円です。 チョコレートはガムよりも100円高いです。 ガムの値段はいくらでしょう? どうだろう、すぐに正解が分かっただろうか? 行動経済学者ダニエル・カーネマンは、これとよく似た問題を…

低所得化や教育費の高騰は少子化をもたらすか?/書籍『失敗すれば即終了』の補足(2)

「教育費の高騰は、少子化の原因ではない」 「若者の低所得化は、少子化の原因ではない」 私が黙らせたいのは、こういうアホなことを言う人々だ。 以前の記事で説明したとおり、少子化のメカニズムは上記の図1枚に要約できる。ヒトは親からの教育的投資が無…

少子化の原因が分かったので対策書く/書籍『失敗すれば即終了』の補足

1.2人──。 これは2050年における老人と現役世代の比率だ。現在は老人1人に対して現役世代2.4人だが、30年少々でこれが半減してしまう[*1]。ホモ・サピエンスには20万年以上の歴史があるが、これほど苛烈な高齢化社会が出現したことはない。まるで〝サイエン…

政治ができるのはヒマなやつだけ/ブラック企業がのさばる理由

日本は国際的に見て失業率が低く[*1]、また平均的な労働時間は減少傾向にある[*2]。つまり日本の労働問題のキモは、他国のような失業率の高さではなく、ごく一部に劣悪な労働環境が存在することだ。一部の職場では「過労死」と「賃金の低下」という、一見す…

「日本人は働き過ぎ」って本当? 調べてみた。

// 豊かさとは何か? 科学ジャーナリストのマット・リドレーは、豊かさとはより単純な生産活動で、より多様な消費活動ができるようになることだと定義した[*1]。「よりわずかな生産活動」と言い換えてもいいだろう。旧石器時代の人々は、森を一日中歩き回ら…

2015年に観たアニメ個人的まとめ

ヒトの脳は時間を正しく認識できない。 印象深いできごとはつい最近起きたように感じるし、新しい情報にたくさん触れると時間の流れを遅く感じる。初めて歩く道は実際よりも遠く感じ、子供のころは1日が長い。時間の認識がこれほどいいかげんなのだから、気…

ごちうさにシャロは必要か?/ストーリーテリングとキャラクターシステム

// ハリウッドの脚本家たちが発展させた「三幕構成」は、実用に耐えうるほぼ唯一の物語創作論だ。しかし、シド・フィールドの教科書を読了して最初に感じることは「So what?(だから何?)」だろう。三幕構成はエピソードやシーンの並べ方を決めるためのもので…

ソシャゲにガチャがある理由/売れるゲームの条件

// ガチャは悪魔の発明だ。 そう考える人がいるらしい。ガチャは一種のチートツールで、ゲームを面白味のないものに変えてしまう。ガチャの氾濫する今のゲーム業界はあまりにも不健全だ──。ソシャゲの黎明期にはよく耳にした意見だ。 最近では優れたゲームが…

『オーバーロード』と『レイアース』とRPG

洗濯が終わるまでヒマなので、『オーバーロード』と『魔法騎士レイアース』とJRPGの話をしよう。 ■脳筋ヒロイン 最近、基礎教養だと思ってアニメ『魔法騎士レイアース』を見ている。第7話まで消化したけど、さすがに面白い。これをリアルタイムに見ていたら…

なぜ科学技術が進歩したのに働かないといけないのか?

誰だって子供のころは明るい未来を想像するものだ。 あらゆる社会問題は 科学技術によって解決し、ロボットたちに仕事をさせて、人間は労働から解放される。そんなテクノトピアを思い描いたはずだ。 けれど、現実はどうだ? 満員電車に揺られて、ストレスフ…

東京ゲームショウはインディーゲームで遊べ!

東京ゲームショウ2015に行ってきた。 子供のころに比べて、ゲームは「遠い世界」になってしまったような気がする。 かつては、おもちゃ屋の片隅に試遊機が置かれて、近所の小学生が列をなして遊んでいた。ゲームショウではすぐ隣に開発者が紛れ込んでいて、…

パクるときは3つのルールを守れ

アリストテレスによれば、芸術創作活動の根本は「模倣」だという[1]。 創作物語は現実のできごとの模倣であり、絵画の基礎は現実の模写だ。それだけではない。数え切れないほどの先行作品の美点を受け継いで、最新の作品は創造される。プロに限らず、少しで…

いま失敗すれば、日本終了。

// 何の数字か、お分かりだろうか。 2050年における現役世代と老後世代の人口比だ。現在の日本では現役世代2.4人で老人1人を養っている。しかし、2050年にはこれが半分になり、現役1.2人で老人1人を支えることになる[1]。私たちの子供世代は高額の社会保険料…

売れるゲーム、売れないゲーム。

// 評論家と芸術家の違いは「何に注目するか」だと思います。 評論家は、評価対象の「共通点」に注目します。一方、芸術家は創作物の「差異」に注目します。映画評論家の作る映画が面白くないのは、共通点だけを真似して肉付けを変えても、傑作の劣化コピー…

サルでも分かる商売のしくみと経営者の役割

// たとえば、だ。 「100万円のボーナスを出すから大学を辞めて入社してくれ」という会社があるとする。その会社の経営者は、離職率80%という数字を恥ずかしげもなく公表していたとする。 いわく、「大学で勉強したことなど役に立たない」「学費がもったい…

2015年の始めに思うこと/老人に悲観論者が多いわけ

// 毎年、正月が来るたびに悲観論を目にする。 今年も例外ではない。2015年にいいことは1つも起こらず、悪いことばかりが起こる。ここ数年、世界はどんどん悪くなっていて、日本の未来は真っ暗だ──。とくに年配の人ほど、そういう考え方になりがちのようだ。…

2014年に観たアニメ個人的まとめ

アニメと現実世界の壁が崩れようとしている。 私の妄想の話ではない。聖地巡礼が当たり前になり、政府が「クールジャパン」を掲げる時代だ。アニメは市民権を得つつある。 技術革新によりプレスコ作品をかんたんに制作できるようになり、さらに『みならいデ…

そうだ、SFってこういうものだった。/『インターステラー』感想

// 忘れかけていた「あの気持ち」を思い出させてくれる映画だった。 『インターステラー』はあまり難しく考えずに、童心に帰って観ることができる映画だ。クリストファー・ノーラン監督の作品にしては珍しい。エンディング・クレジットが終わり、劇場が明る…