あまり知られていないことですが、この「デマこい!」はお料理ブログです。
ですが、私は調理スキルがありません。
卵焼きを焦がします。魚を三枚におろすこともできません。
スキルは足りなくても、どうても美味しいものが食べたい……。
そんな私は、調味料におんぶ抱っこで助けられています。
とくにオススメは「本みりん」です。
1人暮らしの大学生でも、塩コショウ、しょうゆ、砂糖くらいは揃えていると思います。しかしお酢と本みりんは、後回しにされがちです。
けれど、みりんが手元にあると料理の幅がぐっと広がります。料理スキルが低くても、調味料がきちんとおかずを美味しくしてくれます。
私が愛用しているのは九重櫻。クセが少なく、さっぱりとした味が特徴のみりんです。ちょっとだけ価格が高めなので、これから本みりんデビューする人にはタカラ本みりんもオススメです。
みりんを買ったら、まずはブリの照り焼きを作ってみましょう。
短時間で簡単に作れて、美味しいです。
【材料】
・ぶりの切り身……1枚
(調味料)
・醤油……大さじ1
・みりん……大さじ1
・日本酒……大さじ1
※加塩された料理酒は避けましょう。
【作り方】
(1)ぶりは塩を振って15分ほど休ませ、熱湯をかけて臭みを取る。
(2)フライパンに薄く油を引いてぶりを焼く。中火。
(3)8割がた火が通ったら、余計な油をキッチンペーパーでふき取り、調味料を入れる。
(4)弱火でじっくりと煮詰めて照りを出す。
調味料は、必ずぶりに火が8割がた通ってから入れましょう。最初から入れると、ぶりが焼ける前に焦げてしまいます。
みりんを加熱すると、独特の「照り」が出ます。また、みりんには意外と強いアルコール分が含まれており、具材をふっくらと焼き上げる効果があります。ぶりの照り焼きは、みりんの底力を感じられるメニューです。
そしてぜひ、肉じゃがを作ってみましょう。
レベルの高いみりんを使うと、肉じゃがの味もレベルアップしますよ。
【材料】
(具材)
・牛肉……適量
・じゃがいも……2個
・にんじん……1本
・玉ねぎ……1個
・インゲン……適量
(調味料)
・醤油……大さじ2
・本みりん……大さじ2
・日本酒……大さじ2
(だし)
・昆布……1枚(10cm×10cmぐらい)
・かつおぶし……1パック(3g)
・水……600~700ml
▼あわせだしの取り方
(1)昆布は固く絞ったキッチンペーパーで拭いて汚れを取る。
(2)昆布を鍋に入れて、できる限りの弱火で加熱する。沸騰する直前に取り出す。(※沸騰するとぬめりや臭みが出るため。なお、加熱せずに前日の晩から水につけておく方法もある)
(3)昆布を取り出したら、中火~強火で沸かす。
(4)沸騰したら、かつおぶしを投入する。30秒後に火を止めて、かつおぶしを取り除く。(※目の細かい「あく取り」があると便利です)
※だしの取り方は、別の記事で改めて紹介します。
▼調味料の使い方
醤油:みりん:日本酒=1:1:1で使うのが基本です。作りたい味によって配分を変えましょう。
また、市販の料理酒には塩で味付けしたものが多いのですが、無塩の日本酒のほうが味の調整をしやすくてオススメ。飲みかけの古い酒でも(酸っぱい香りがしなければ)大丈夫です。
【調理法】
(1)野菜や肉を食べやすい大きさに切る。じゃがいもは冷水にさらしておく。
(2)鍋に油を引いて、たまねぎ、にんじん、肉、じゃがいもを炒める。
(3)全体的に油が回ったら、だしをひたひたになるまで入れる。
(4)落とし蓋をして、あくを取りながら強火で煮る(※数分間)。
(5)野菜が透き通ってきたら弱火にする。
(6)調味料とインゲンを投入。弱火でコトコト煮る(※15~20分程度)。焦げ付き防止のため、ときどき具を優しく混ぜること。
(7)材料に火が通ったら完成。
みりんのアルコール分によって、具の中まで味をしみ込みます。また、みりんには煮崩れを防ぐ効果もあります。さらに、みりんは発酵食品です。発酵の過程で生まれた様々な成分が、複雑で奥深いウマ味を料理に与えてくれます。
私は煮物にほとんど砂糖を使わなくなりました。みりんの上品な甘さに慣れてしまうと、砂糖の甘さは何だかベタベタした感じがするからです。
最後に、「本みりん」と「みりん風調味料」とを間違えないよう注意しましょう。
本みりんはアルコール分を含むため、お酒として税金がかかります。
一方、「みりん風調味料」は水に合成調味料を加えてみりん風の味わいにしたもので、アルコールを含みません。酒税がかからないぶん低価格なのが魅力の商品です。が、本みりんのような煮崩れ防止効果や味をしみ込ませる効果、発酵による複雑なウマ味成分はありません。
本みりんは、料理スキルが低い人でも美味しさを大幅にレベルアップしてくれる調味料です。
一度使ってみると、塩やコショウ、醤油と同じくらい手放せなくなりますよ!