何を食べても、普通に美味しかった。
今回訪ねたサンフランシスコとニューヨークはどちらも国際都市で、世界中のウマいものが集まっている。それに加えて、現在の日本人は味覚の西洋化が進んでいる。数十年前に作られた「アメリカのメシはまずい」というイメージは、すでに時代遅れなのかも。本当に何を食べてもハズレが無かった。
※もちろんアメリカにはすごい食べ物があるらしいことは知ってるけどね。
※生牡蠣はニューヨーカーたちのソウルフードだ。日本の半額で倍の種類が楽しめる。
■サンフランシスコ編
■BURGER KING
まずは日本でもおなじみBURGERKING。大好きなワッパーを食べ比べてみた。バーガー系のメニューの味は日本とほぼ同じで、なんというかグローバリズムを実感できる。なお、ポテトは皮なしタイプ。日本では高級路線なのか皮付きポテトを提供しているが、こういうジャンクなポテトも悪くない。
■Buena Vista Cafe
一転して、ジャンクとはほど遠い上質な逸品。ブエナ・ビスタ・カフェは、世界一おいしいアイリッシュ・コーヒーの飲める店として知られている。ウイスキーをホットコーヒーで割ったカクテルだ。夏のサンフランシスコはかなり寒く、私たちが訪れた日も例外ではなかった。散歩して冷え切った体にコーヒーの温かさが浸みた。
カフェで一服した後は、夜のフィッシャーマンズワーフへ。老舗レストランの「ALIOT'S」に飛び込んでみた。カジュアルな雰囲気でわいわい楽しめるお店だ。
まずは定番のクラムチャウダー、クラブケーキのフライ、シュリンプカクテルを注文。
本当はパンのボウルに入ったクラムチャウダーが名物なのだけど、お腹がふくれるのがイヤでやめておいた。だって、腹がふくれたらお酒が入らないじゃん。
クラブケーキのフライ。サンフランシスコ名物のカニがたっぷり詰まっている。
ワインは果実感のある爽やかな辛口。濃厚なシーフードの味によく合う。
そしてチョッピーノ。お店のスタッフに訊いたところ、「トマトソースが人気だけど、私のおすすめはガーリックソースです」との答え。食べてみて納得した。カニの味を楽しむなら、さっぱりしたガーリックのほうがいいと思う。本当に新鮮なカニって甘いんだね。
■ALIOT'S
サンフランシスコといえばカニ!フィッシャーマンズワーフの名店だ。
ワシントンスクエア・パークで待ち合わせて、現地に留学している友人と合流。学生っぽいお店に連れて行ってもらうことに。
■North Beach Pizza
こちらはサンフランシスコで展開しているピザチェーン。ふわふわの分厚い生地は、なんだか懐かしい味だった。私たちは5人で行ったのだけど、お店のスタッフからは「2枚がちょうどいいわよ」と言われた。日本人の胃袋には1枚で充分だった。
(今回行けなかったお店)
■Hog Island Oyster
ナパバレーのワインツアーのガイドさんに紹介してもらったお店。生ガキはもちろん、クラムチャウダーも絶品らしい。20世紀初頭に日本から持ち込まれた「Kumamoto」という種類の牡蠣が、アメリカでは今でも食され続けているという。次回は必ず行くよ!
ナパバレー編はまた後日記事にします。
■ヨセミテ・モノ湖編
レンタカーでヨセミテ国立公園まで足を伸ばした。日本は自然豊かな国だと言われるが、べつに日本だけが自然豊かなわけではない。国内では絶対に見ることができない雄大な自然にド肝を抜かれた。まじでケタ違い。
■ヨセミテ公園内Curry Villageのハンバーガー
肉はジューシーで、バンズの香りと野菜の甘さが嬉しい。BURGERKINGのワッパーよりもワンランク上のハンバーガーだった。
その日はヨセミテには滞在せず、さらに内陸へとハンドルを切った。シエラネバダ山脈を奥へ奥へと進む。とにかくすばらしい景色の連続で、誇張抜きで人生最高のドライブだった。
モノ湖はいわゆる「塩湖」だ。魚が住めないほど塩分濃度が高く、NASAがヒ素を利用して生きる細菌を発見したと発表して話題になった。夕日に染まると、まるで『エヴァンゲリオン』のワンシーンのような光景になるらしい。ちなみにヒ素利用細菌の発見は早とちりだったらしい。
モノ湖からさらに30分ほどクルマを走らせて、その日の晩はDouble Eagle Resort and Spaというコテージに宿泊した。しばしば「宝石箱をひっくり返したような夜空」という慣用表現が使われるが、実際にそんな星空を見たことがある人はどれほどいるだろう。視力の悪い私は、日本ではどこに行ってもあまり星が見えない。恥ずかしながら、肉眼で天の川を見たのは生まれて初めてだった。
なお、食事は併設のレストランで。
まずは前菜にブルスケッタ。レストラン自家製のエールで乾杯だ。アメリカでは何を食べても美味しいが、同時に何を食べても量が多い。ただし、どんなお店でも基本的に食べきれなかったぶんはパッキングして持ち帰れる。
チキンのシーザーサラダと、グリルドチキン。うーん……、チキンがだぶってしまった。仕方がないのでワインを注文。このワインは正解だった。チキンづくしの中ですっごく爽やかな存在だ。
■EAGLE’S LANDING RESTAURANT
(※Double Eagle Resort and Spa内)
深夜のニューアーク空港に到着後、そのままタクシーで友人宅へ。その足で向かった先は日本以上に純和風な焼肉店だった。
日本ではもはや食べられなくなった生肉も、この店では好きなだけ食べられる。深夜なのに箸が進む、進む。
■日本式焼き肉「玄」
生肉も食べられる焼肉店。どんな肉を頼んでも当然のように美味しい。日本人の経営しているお店なので、予約や注文が日本語でできるのも嬉しい。英会話にちょっと疲れたころに立ち寄りたい。
(※ただしタイミングが悪いと日本語対応のできるスタッフがいない場合もあるらしいので注意。念のため)
■Gray's Papaya
私がニューヨークでやりたかったことその1:ホットドックを食べる。
数あるホットドッグショップのなかでも、こちらの「Gray's Papaya」は有名店の一つ。観光客向けではなく、本当に現地のニューヨーカーから愛されているお店のようだ。私たちが行ったときにも、制服姿の警察官がふらりと立ち寄ってランチを買っていった。ザワークラウトとマスタードをどっさり載せて食べたい。
■Wafels & Dinges
私がニューヨークでやりたかったことその2:セントラルパークの芝生に座ってコーヒーを飲む。
ニューヨークではレストランだけでなく、屋台(Food truck)にも注目したい。このとき私が飲んだコーヒーは「Wafels & Dinges」というチェーンのもの。なお、味は普通。
ニューヨーク2日目の夜は、マンハッタンで随一(?)の博多料理専門店へ。
名物のパクチーもつ鍋は絶品の一言だ。
■Hakata Ton Ton
デザートには黒ごまアイスがおすすめ。マンハッタンには日本人が多い。その気になれば、一ヶ月ぐらい日本食だけで食いつなぐこともできるかも。
ニューヨーク3日目、私はマンハッタン〜ブルックリンをふらふらと散歩してみた。とくにSOHOとNolitaはおしゃれスポットだった。東京でいえば青山・原宿のような場所。
■McNally Jackson Books
面白そうな本屋を見つけたら、つい足を止めてしまう。あとで調べて驚いたのだが、こちらのお店はどんなガイドブックにも載っている有名店のようだ。ジャンルごとにざっくりと陳列された売り場は、予想外の本との思わぬ出会いを楽しめる。たぶん代官山の蔦谷書店もこういうお店を参考にしてるんだろうな。カフェが併設されているのも嬉しい。
セールの棚に並んでいた5ドルの本を衝動買い。
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■WILL LEATHER GOODS
WILL LEATHER GOODSの路面店へ。カバン屋だとは思えない店内。カバンを買ったらコーヒーが出てきた。
そのままリトルイタリーまで足を伸ばしてみる。見渡すかぎりにイタリア料理店が続く町並みは圧巻だ。ピスタチオのジェラートでしばし休憩。
そして3日目の夜は、いよいよブルーノートへ。
注文するのはもちろんマンハッタン・カクテル。ええ、ベタすぎることは分かっておりますとも。
■Blue Note Jazz Club New York
ジャズバーは客と演奏者の距離の近さが魅力。ブルーノートでもそれは同じだ。心地よい音の洪水に酔いしれた夜だった。
■Pasta Bistro Grill
翌朝、ニューヨークに来たからにはエッグベネディクトを食べずに帰れない。Yelpの評価は低めなので、かなりカジュアルなお店だと思われる。が、味はなかなかのもの。
そして、いよいよ本命の生牡蠣へ。これを食べるためにニューヨークに来たと言っても過言ではない。私は生牡蠣が大好きなのだ。どれくらい好きかというと、高校時代にノロウィルスでやられたにも関わらずやめられないぐらい好き。牡蠣に当たって死ぬのとどちらがいいと訊かれたら、牡蠣を食べるほうを選ぶ。食欲は、ときに生存本能を凌駕する。
当然、大皿1枚の生牡蠣では満足できない。おかわりが来るまでのつなぎにシーフードカクテルを頼む。白ワインが水のように飲める。
舌が脂質を求めていたので、ロブスターのビスクを注文。同行した友人いわく「カロリーの味がする」とのこと。濃厚なロブスターのうまみが口いっぱいに広がる。
■Fish
新鮮なオイスターを山ほど食べられるお店。お腹がいっぱいで動けなくなるほど生牡蠣を注文して、それでも一人30ドルちょっとだった。
◆
繰り返しになるが、今回のアメリカ旅行では食事に関してハズレがなかった。本当に、何を頼んでも普通に美味しいものが出てきてしまう。
考えてみれば当たり前で、アメリカは世界有数の農業国だ。しかも、世界中の料理文化が集まっている。美味しい食材があって、豊かな料理文化があれば、美味しいメシが食えて当然だ。
アメリカ合衆国建国の父の一人、トーマス・ジェファーソンは独立自営農民を理想の生き方だと考えていたらしい。広大な土地を開拓するなかで芽生えた農民たちの個人主義や平等主義が、きっと、現在まで続く「アメリカらしい考え方」につながっているのだろう。アメリカという国の背景には、農業と食糧生産がある。
そして──これが何より大事なことだと思うけれど──たった2都市をわずか数日間滞在しただけで、アメリカを分かった気になってはいけないと思った。アメリカはとにかく広い。カリフォルニア州だけで、日本の国土に九州をもう一つ足したぐらいの広さがある。
東海岸なら次はボストン、ワシントン、フィラデルフィアに、西部ならロサンゼルスやラスベガスに行ってみたい。時間とお金が続くかぎり、何度でも行ってやる。なんなら住んでしまってもいい。
待ってろよ、アメリカ。
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