デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

2011-01-01から1年間の記事一覧

スーパーマンしか「普通」になれないの?/求められるのは庶民の物語だ、たぶん。

昨日の記事では、足がすくむほどたくさんのブックマークをいただきました。ありがとうございます。調子に乗って連日更新しちゃうぜ。 ※なお、このブログは小説・映画・アニメなどの感想を淡々と書いていくものです。「社会」について語ってしまったのは……え…

「大企業に入社して損をする生き方」を選ばせているのは誰か。/人生の教科書としての物語

※この記事は移転先のブログ「デマこい!」に転載済みです。 最近見つけたこのエントリーがとても興味深かった。 英雄とは“あなた”のことだ 『千の顔をもつ英雄』 -あおぎみれば、空 http://d.hatena.ne.jp/chigui/20110319/1300464019 記事の後半はかなり専…

イクメンの時代/『うさぎドロップ』に泣かされてしまったよ……

うさぎドロップ 【初回限定生産版】 Blu-ray 第1巻出版社/メーカー: 東宝発売日: 2011/10/28メディア: Blu-ray クリック: 40回この商品を含むブログ (43件) を見る アニメ『うさぎドロップ』のデキが非常によろしい。 あらすじ: 30歳独身のサラリーマン・ダ…

『あの花』は岡田磨里さんが『けいおん!』を書こうとした結果なのではないか、という仮説。

「C」第2巻<Blu-ray>【初回限定生産版】出版社/メーカー: 東宝発売日: 2011/09/23メディア: Blu-ray購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (5件) を見る 『C』のシリーズ構成が完璧すぎて舌を巻く。陰鬱な日常からとんでもないコトに巻き込まれて…

現実世界の少女たち(と、少年たち)

以前にも書いたけれど、桜庭一樹さんの小説では「少女=守られる、少年=守る」という構図がはっきりとしている。ただし、それは男女が一対一の場合だ。集団対集団になったとき、男女の関係はまた違った姿を見せる。そこにちょっと違和感を覚えたので、実際…

少女とSF/『マルドゥック・スクランブル』に見る「戦闘美少女」の合理性

戦闘美少女といえば、冲方丁さんだ。 あんまり読んだことがないので知らないのだけど、世間そういう事になっているらしい。『マルドゥック・スクランブル』を読んで、「なぜ少女なのか?」という疑問にまた別の答えが見えてきた。 以前のエントリーでは消費…

男性ジェンダーロールと少女性(2)/社会的役割の不一致の系譜

昨日のエントリーですが、たくさんのブクマをいただきました。ありがとうございます。その続きです。 ブクマコメントのなかで「まどか達の肉体は少女だけどやってることは昔からの男性ジェンダー役割そのものなんだから言うなら解放じゃなくて回帰では?」と…

男性ジェンダーロールと少女性の対立/『スト魔女』『けいおん!』『まどマギ』の何が新しいか

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 魔法少女まどか☆マギカ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)作者: ハノカゲ,Magica Quartet出版社/メーカー: 芳文社発売日: 2011/02/12メディア: コミック購入: 32人 クリック: 1,761回…

ランジーン×コード:アナザーストーリー/美しく青きブギーマン

※このラノ!文庫『ランジーン×コード』シリーズの二次創作小説です。原作を知らない方にも読んでいただけるよう書いたつもりです。 ※版元とは一切関係ありません。 『美しく青きブギーマン』 Rootport著 一 成田空港の第二ターミナルは見送りの人で混み合っ…

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』がすごい。/俺が長井龍雪監督を好きな理由(ワケ)

ノイタミナ枠のアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』がすごい。 長井龍雪監督&岡田麿里脚本という、『とらドラ!』の黄金コンビだ。期待せずにはいられない。が、こちらの上がりきったハードルをさらに軽々と飛び越えていった。本当に面白い…

リア充判定リトマス試験紙としての『ソーシャル・ネットワーク』

毎月一日は映画の日、というわけで三月一日は映画を二本続けて見てきました。今回は、そのうちの一本『ソーシャル・ネットワーク』の感想を書きます。やっと今週のお題「心に残る映画」に一致するエントリーを書けます。 あの映画を見て分かったのは、俺のメ…

作者と読者の哀しい年齢差(2)/語るべきは人の強さか、弱さか

今回は深町秋生『新装版 果てしない渇き』の読書感想文です。 ようやく読むことができました。今さら感が漂うけれど、つらつらと書いてみます。 ◆ ◆ ◆ 深町秋生『果てしない渇き』果てしなき渇き作者: 深町秋生出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2005/01/27メ…

なぜ中高生は小説を読まなくなったのか/作者と読者の哀しい年齢差

よく「今の中高生は小説を読まなくなった」と聞きます。この言葉自体、けっこー疑わしいと私は思っています。が、もしも本当だとしたら、どんな理由があるのでしょうか。 その背景には、書き手と読者の世代的格差があると私は考えています。 というわけで、…

【告知】コミティア参加します!

2011年2月13日に東京ビッグサイトで開催されるコミティア95に参加します。 こちらの同人誌企画に参加させていただきます。 ↓↓↓ ↓↓↓ ↓↓↓ JAS-SKY-MOKKOR http://mokkor.client.jp/ ↑↑↑ ↑↑↑ ↑↑↑価格:¥1,000‐(予定) 刷数:200部(予定) ※購入特典としてカ…

アニメ『放浪息子』がすごい!/視線と距離感の演出

今週のお題は「ついつい集めてしまうもの」/俺の場合はアニメのキャプ画です。「これはっ!」と思ったシーンはとりあえずキャプチャしているんですが、なかなか使う機会がありません。せっかくなので、今回はキャプ画を使ったエントリーを書いてみます。 ◆ …

小説の設計図(1)/「感動」の正体を探る

――二つ折りの恋文が、花の番地を探している。/J.ルナール『博物誌』 小説とは、いったいどんな芸術なのか。それを考察することで、小説の書き方を探ろうというシリーズの第一回目です。(全四回を予定) 今回は、「感動」の正体について考えていきます。 書…

なぜお話を作るのか、ということ。

今週のお題は「冬の楽しみ」ですが、俺の場合はこたつでひたすら推敲することかなぁ。 さて今回は、投稿サイトの感想欄に書き込んだ内容から抜粋です。 小説を書くのは「自分のため」かも知れないけれど、自己満足ではダメだよね、というお話。 ◆ ◆ ◆ 「なぜ…

Facebookは「一人に一つの現実」をもたらす/twitterやmixiは「仮想AR」だ!

インターネットからの情報収集は、「自分の好きなものしか見ない」という危険性をはらんでいる。すぐれた検索システムによって「見たくないモノ」を見なくても済むからだ――。そんな批評をしばしば見かける。でも、見たくないものから目をそらすのは何もイン…

オタクのすなるコミケといふものに――

コミケに参加してきました! まず、今週のお題に答えましょう。/私がブログを始めた理由は、本職があまりにも非創造的だからです。自分の「頭の中にあるもの」を吐きだせる場所を求めていました。クリエイティブなことをしている人に憧れますし、尊敬の念を…