Kindle fire HDXを手に入れた。
数あるタブレットのなかでも画面の美しさはピカイチで、iPadと比べても遜色ない。電池の持ちはいいし、重量は羽のように軽い。何より値段の安さも魅力だ。Amazonをよく利用する人なら持っていて損しない1台だと思う。唯一にして最大の弱点はGoogle Playが使えないこと。でも、わりと簡単な裏技で解決できた。
今回の記事は、Kindle fire HDXを入手してからやったこと&入れたアプリのまとめだ。
※ヒューストン空港で見つけたKindleの自動販売機。細長い国土の日本とは違い、アメリカでは長距離移動といえば列車よりも飛行機がよく使われる。待ち時間を潰すには電子書籍がぴったりというわけだ。
【1】セキュリティの設定!
肌身離さず持ち歩くつもりで入手したKindleだ。が、落としたり盗まれるリスクと無関係ではいられない。画面のロック解除や商品購入にパスワードを設定するのは最低限の用心だろう。
■画面ロック解除にパスワードを設定する方法
「設定」>「セキュリティとプライバシー」>「ロック画面のパスワード」をオンにする。
■商品購入やwi-fi接続などの機能変更にパスワードを設定する方法
「設定」>「機能制限」>「機能制限」をオンにする。
【2】Dropboxを入れよう!
最近ではDropboxがないと仕事にならない。本家Amazonのkindleアプリストアでは取り扱われていない(2014年12月現在)ので、Dropboxのホームページからダウンロードする必要がある。
ただしウィルスソフト等の対策として、Kindleは初期設定ではAmazon以外の場所から落としたアプリをインストールできない。これをインストール可能に設定しなおしたい。
■サードパーティーのアプリをインストール可能にする方法
「設定」>「アプリケーション」>「不明ソースからのアプリ」をオンにする。
DropboxのホームページからAndroid用アプリを落としてインストールすれば準備完了だ。
【3】Google Playのアプリを使おう!
Kindle fireはAndroid端末でありながら、宗教上の理由でGoogle Playにつなげられない。ところが便利なフリーソフトには、Google Playでしか配布していないものも珍しくない。今回、私は「Bluetooth App Sender」を使って、Google PlayのアプリをKindle fireにインストールした。
3-2.スマホに「Bluetooth App Sender」と「Dropbox」をGoogle Playからダウンロードする。
3-4.Bluetooth App Senderを起動。スマホにダウンロードされたアプリの一覧が表示されるので、Kindleで使いたいものを選ぶ。「send」ボタンを押すと共有ソフトの一覧が表示されるので、「Dropboxに追加」を選択する。
この方法で、GooglePlayでしか配布されていないフリーアプリもKindle上で使えるようになった。いわゆる「非root化」という方法ではないので、メーカーの保証は(たぶん)大丈夫だ。
【4】もちろんAmazonのアプリも使おう!
Amazonアプリストアにも魅力的なアプリがたくさんある。たとえばFacebookやEvernoteは迷わずダウンロードすべきだろう。とくにEvernoteは秀逸だ。Kindleで読書しながらメモを取るという、私がずっとやりたかったことをそのまま実現できた。
このほか、私が真っ先にダウンロードしたアプリを2つ紹介したい。「SketchBook Mobile Express」と「iDisplay」だ。
■SketchBook Mobile Express
Android端末用のお絵かきソフト。きちんとレイヤー機能があるので、かなり複雑な図案でもごりごり書ける。前述のとおりKindle fire HDXは、高精細な液晶が魅力の1つ。このアプリがあれば簡便な液タブとして使える。さすがに商用イラストを描くには心許ないが、打ち合わせ中のメモやブログ用の説明画像を作るには充分だ。
■iDisplay
タブレットをパソコンのサブディスプレイにできるアプリ。USBケーブルがなくてもwi-fiがあれば使える。スマホのテザリング機能でも充分に動くので、場所を選ばずにマルチモニタ環境で作業ができる。たとえば「なかよし銀行シリーズ」を書くときは、ヒロインのケイリさんの表情を確認しながら原稿を進められるのだ!
ちなみに iOS版もあるらしい。
【5】で、ぶっちゃけKindle fire HDXってどうなのよ?
弱みと強みのハッキリしている端末だ。「とりあえずタブレットを持ってみたい」という人にはあまりオススメできないが、使用目的が決まっている人には代えがたい「神デバイス」だろう。
繰り返しになるが、最大の弱点はGoogle Playに繋がらないこと。この記事ではPlayのアプリをインストールする方法を紹介したが、本家のAmazonアプリストアにももう少し頑張ってもらいたい。
また、細かな弱点としては「青帯問題」がしばしば話題になる。Kindle fire HDXは色彩表現と省電力化のために、他のタブレットにない青色LEDが使用されている。その影響で、白背景を表示したときに画面の端がうっすらと青く光るのだ。読書中は視界に入らない部位だが、背景色を変更すると改善できる。画面を色調補正するアプリを入れるという手もあるようだ。
一方、いちばんの強みは液晶の美しさだ。
画面の解像度はiPadのRetinaディスプレイモデルと同じかそれ以上で、発色も素晴らしい。間違いなく読書には最適のデバイスだ。カラー写真の多用された資料を読んだり、まんがやラノベを読むのにも向いているかもしれない。たとえば趣味や仕事でカメラを使う人が、撮影した写真をその場で確認、加工する……といった作業にも適しているだろう。
また、重量の軽さも魅力だ。
わずか303gで、iPad miniのいちばん軽いモデルよりもさらに軽い。じつは文庫本2冊分よりも軽いのだ。タブレットをカバンに入れて持ち歩くなら、これは大きな強みになる。長時間読書してもあまり腕が疲れない。
さらにwi-fiが速い。というか爆速だ。
私はDropboxで共有したpdfやpsdの資料を仕事でよく使う。が、ファイルサイズに悩まされていた。スマホで見るときはもちろん、ノートPCに落とすときも、wi-fiでは接続が不安定になりがちで時間がかかっていた。ところがKindle fire HDXでは一瞬だ。MIMOという特別なアンテナが使われているらしい。アプリの更新や動画のダウンロード、そしてKindle側からファイルをアップロードするのも、とにかく速い、速い。
他にもバッテリーが長持ちしたり、内蔵スピーカーが意外と悪くない音質だったりと、細かな魅力をあげれば切りがない。Amazonでの買い物は(当然ながら)超絶捗る。CPUやメモリなどの基本性能は高い部類なので、動作はサクサクだ。
まとめると、Kindle fire HDXはとにかく画面が美しくて、軽くて、動きが速く、電池は長持ちしてスピーカーの音質も悪くない。にもかかわらず値段は安い。
ここまで書けば、なぜ「Google Playを使えないのが唯一にして最大の弱点」と評したのか分かるだろう。本当に、それ以外には一切の不満がない。ホーム画面の独特なUIや、Amazon独自のWEBブラウザ「Silk」も慣れれば使いやすい。
iPhoneやMacと連携して使うなら、iPadのほうがいいだろう。とりあえずAndroid端末を触りたいなら、Nexusやスマートフォンがいいだろう。「艦これ」で遊びたいならwindowsタブレットを選ぶべきだ。
しかし読書をしたり、アイディアをメモしたり、写真やイラストを確認したり……およそ「紙」を使う作業を電子化したい人には、Kindle fire HDXがオススメだ。このデバイスは「読書のできる電子機器」というより、「映像やゲームもできる文房具」と呼んだほうがいいかもしれない。
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