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ものを作るって楽しい。/コミケ参加します。8/15西え12b

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 コミックマーケット86に、ラノベ同人誌「幻想銀座」で参加します。8月15日、東京ビックサイトの西館え‐12bで配布予定です。今回は3つのキーワード「水」「探す」「悪徳」をテーマに、集まったクリエイターで好きなものを作ろうという企画でした。

 企画の一環として、ボカロPのこがねむしさんが作った曲「願望水溶液」がすでにニコニコ動画にアップロードされています。なお、私は「ミタマクジラの唄」という中編小説で参加しています。

 

     ◆

 

 小学校低学年のころ、仲良し4人で1枚の絵を描いたことがあります。大きな画用紙の四隅から描き始めて、真っ白な画面をクレヨンや色鉛筆の線で埋めていきました。今回の幻想銀座では、あのころの楽しさを思い出しました。みんなで1つのものを作るのは、わけもなく楽しい。

 この同人誌には三本の小説が収録されていますが、たとえばボカロPのこがねむしさんにはあらすじだけを説明して作曲に入ってもらいました。また拙作の「ミタマクジラの唄」には露鴨さんにすてきなイラストをつけていただきましたが、これも初稿の半分ぐらいしかできていない状態で作画を進めてもらいました。

 白状すると、今回の私は初稿を書き上げるのがとても遅かったのです。この調子だと原稿を落とすかもしれないな──。と、ぼんやり考えはじめたころでした。こがねむしさんが「願望水溶液」のテスト版をアップしてくれました。 露鴨さんがキャラクターデザインと表紙イラストのラフをあげてくれました。

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 で、私は何がなんでも書き上げてやる、と思いました。

 音楽もイラストも、私にはもったいないほどすばらしいものが上がってきました。語弊はあるかもしれませんが、これらに負けないものを書かないとヤバいと感じたのです。これほどカッコいい音楽とイラストですから、間違いなく人目を引きます。それで中身の小説があまりにもイマイチだったら、羊頭狗肉のそしりをまぬがれません。

 私一人の同人誌なら、どんな批判を受けてもいい。しかし、私のせいで他の参加者の評判まで落とすわけにはいかない。だからこそ「負けるものか」と感じたのです。この音楽と挿絵に見合ったものを書かないとマズいな、と。

 

 今回の「ミタマクジラの唄」は、私一人では書き上げられなかったと感じます。露鴨さん、こがねむしさんをはじめ、他の参加者の作品に刺激を受けて──いい意味で焚きつけられて、書き上げた。そういう小説です。こんな感覚でお話を書くのは、ずいぶんひさしぶりの経験でした。

 やっぱり、ものを作るって楽しい。

 それを思い出すことができました。

 


 

「幻想銀座 vol.3」は、こうましろさんの表紙イラストが目印です。参加者それぞれのすばらしい作品が結晶化した、なんだかきらきらした同人誌になりました。テーマは水・探す・悪徳なので、ちょっぴりダークな雰囲気かも?

 ぜひお手にとって、中身を確かめていただければ幸いです!

 よろしくお願いします!!

 

幻想銀座 公式ホームページ

表紙イラスト:こうましろ
挿絵(掲載順):山口アキ/カオミン/露鴨
作家(掲載順):吉田岡/羽根川牧人/Rootport
楽曲:こがねむし
動画:こう