デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

あなたは自分の英語力を過小評価している/英語で会話するための3つのtips

このエントリーをはてなブックマークに追加
Share on Tumblr



この記事に超・共感した。

海外留学、海外就職に関するよくある間違った思い込み。-ニートの海外就職日記
http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/tb.php/337-b772da10

そうそう! 日本人って自分の英語力を過小評価しすぎだ。中学三年間の英単語があれば会話は充分に成り立つし、そもそもカタカナ語のおかげで英語は身近な存在なはず。歌詞に英語のない流行歌を探すほうが難しい。ちょっとした心がけの変化だけで、英語は劇的に喋れるようになる。

と言っても、私には海外留学の経験も就職の経験もない。
私が英語を使う舞台は、神社仏閣だ。

外国人ガイドという趣味の世界がある。
観光名所に出かけて、外国人旅行者に声をかけるのだ。
「ハイ! 俺さぁ英語の勉強してんだけど、ちょっと一緒に喋ってくんない? この神社のなかを案内するからさあ!」
ほとんどの観光客は二つ返事でOKしてくれる。もちろんボランティアだ。京都は学生の街だ。積極的に英語を使っていたら、留学生の友達がずいぶん増えた。私が英語を学ぶ理由は、仕事のためでも資格のためでもない。もっとシンプル。「たくさんの面白いヤツと知り合いたいから」ただそれだけ。

とまあ、こんな変な趣味を持っている私も、高校生までは英語が苦手科目だった。それこそ落ちるのが怖くて英検四級を受けられないぐらいに。
劇的に変化したのは大学生になってから。友達に誘われてESSというサークルに入ったのがきっかけだ。いわゆる英会話サークル(笑)で、実際に英語を喋るようになった。で、今まで会話できなかった人たちと意思疎通できる面白さに目覚めた。誰かと喋るのは楽しいです、やっぱり。



 ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


1.諸悪の根源は学力テスト

聞き逃したら「もう一度言って」と言えばいい。
聞き取りづらいなら「ゆっくり喋って」と言えばいい。
これって意思疎通の基本だ。ほら、日本人同士でも、お互いに何を話しているのかよく解らないことがあるじゃん。電話が遠いときとか、あまりにも方言のキツイ人と喋っているときとか。
だけど世の中のテストというものには、それがない。リスニングのテストならば、音声を一瞬でも聞き逃せばアウト。これって、すごく変だ。一発で理解する能力って、会話にはあまり必要じゃない。もっと重要なのは言葉を応酬する能力のはずだ。早押しクイズじゃあるまいし。

で、言葉を応酬する能力ってのは、英語力の外側にある。

日本語でうまく会話できない人は、たぶん英語でも会話できない。逆に、相手の一言に対して適確な言葉を返せる人は、どんな言語であろうと会話をできる。だから幼児に対する英語の早期教育って疑問だよね。まずはキッチリとした日本語を学ばせて、脳みその言語野を鍛えたほうがいいんじゃなかろうか。日本語もままならない人間に英語を教え込むのは、柱を建てずに家を作ろうとするようなものだ。いや、まあ、そういう工法もあるかも知れないけれど、先に柱を建てたほうが後の作業がラクになるんじゃねーの。余談だけど。

テストは序列を作る。
ごく少数の高得点者だけは「俺は英語が得意だ」と自信をつけ、残りの大多数は、苦手意識を植え付けられる。
テストは非現実的だ。実用的だと名高いTOEICでさえも、早押しクイズ的な性質からは逃れられない。あれは英語を使って意思疎通ができるかどうかを、ちょっと離れた場所から俯瞰しているにすぎない。IQテストが知性の正確な基準とはなりえないのに似ている。実際、あなたの周りにもいませんか。TOEICの点数はやたらと高いのに、英会話が一切できない人。そういう人は英語の勉強よりも、まずは日本語での会話を訓練すべきだと思う。




2.英語力や文法は、中学レベルで充分

たとえば日本語で考えて欲しい。学年が進むごとに、『国語』という科目は難しくなる。文学作品に立ち向かったり、古典を読まされたり、難解な漢字を覚えさせられたりする。だけど、日常の会話には、そんな難しい言葉づかいって出てこない。せいぜい小学校三年生レベルの国語が出来れば充分だ。「あり/おり/はべり/いまそかり」という活用が何の役に立つのか解らないし、「ことほどさように」という副詞の登場する場面など見たこともない。

日常会話って、カンタンな言葉の応酬なのだ。

これは英語でも同じだ。特に非ネイティブ同士で会話する時は顕著で、気の利いた言い回しなど混乱を招くだけ。できるだけシンプルな構文で、一般的な単語を用いるほうがいい。だから中学生レベルの英語で充分だ。

ただし、抑えておくべきなのは「ビッグワードに頼らない」という点。
GoodとかNiceとかBigとかEnoughとか、意味の広すぎる単語には要注意だ。こういう単語をビッグワードという。

例えば一緒にメシを食ってて、
「その料理ウマい?」と聞かれたとする。
「うん、ウマいぜ(It’s nice)」だけじゃ、会話が広がらない。
けれど、「ちょっと辛いな」と答えたら、「辛いのは苦手か?」「どんな味が好きか?」みたいに話が広がっていく。better than〜と比較をするのもいいだろう。

本当の単語力というのは、シンプルな表現がすんなりと出てくることだ。
料理の味を訊かれたら「ウマい」だけじゃなくて、「甘い」「辛い」「すっぱい」「好みが分かれそう」「癖になるかも」「母さんの肉じゃがのほうが美味しい」みたいに、色々な表現ができたほうが、会話が楽しくなる。すんなりとそういう言葉を思い出せることのほうが、音節の多い単語を知っているよりも重要だ。



3.マジックワードを見つけよう

便利な「言い回し」というものがある。会話のなかで頻繁に登場して、困った局面を解決してくれる。そういう言い回しだ。
先ほどの「もう一度お願いします(Pardon me?)」「ゆっくり喋ってください(Could you speak slowly, please?)」なんて言い回しも、そういうマジックワードの仲間だろう。他には挨拶っぽいもの(How are you today)とか、あいづちを打つのに便利なもの(nice, great, ah-ha, etc)とか、色々ある。

特に疑問文のバリエーションを持っておくと便利。
相互理解のきっかけは、お互いがどんな人間なのかを伝えあうことから始まる。
1割話して9割聞くという姿勢がオススメ。聞き役に徹せよ、ってこれ英会話に限った話じゃなくてコミュニケーションの基本じゃん!


ポイントは「マジックワードは個人ごとに違う」という点。リスニングが普通にできる人なら、「もっとゆっくり喋って」なんてコトバは必要ない。英語力や個性によって、マジックワードは変わってくる。だからあなただけのマジックワードを見つけ出すのが大事。



 ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


上記の三つのコツを抑えるだけで、中学レベルの英語しかできなくても、きちんと会話は成立する。あとはカタカナ語に引きずられた発音をしないように注意するとか、細かなポイントはあるんだけれど、それはまた別の記事にしたほうがよさそう。

あなたが苦手だと思っているから、あなたは英語が苦手なのだ。

まずは勇気を出して喋ってみるのが大事。
解決策はことほどさようにシンプルだ。





参考:


40歳平凡サラリーマンが半年でTOEIC400点から700点を獲得した方法-増田
http://anond.hatelabo.jp/20081019115056
※この人も最後には「真の英語力を身につける」と締めくくっている。真の英語力≒会話力だと思う。


英語の学習情報の特徴メモ-かちびと.net
http://kachibito.net/marketing/study-of-english.html/trackback


英語の勉強に無料でおすすめのサイト・ポッドキャスト-watanabiの日記
http://d.hatena.ne.jp/watanabi/20090118/1232254523


取っておけば良かったと思う資格ランキング-エキサイトニュース
http://www.excite.co.jp/News/column/20100130/Goorank_9839.html


社会人のための本気の英語学習法
http://anond.hatelabo.jp/20100219230508


.