デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

2015-01-01から1年間の記事一覧

パクるときは3つのルールを守れ

アリストテレスによれば、芸術創作活動の根本は「模倣」だという[1]。 創作物語は現実のできごとの模倣であり、絵画の基礎は現実の模写だ。それだけではない。数え切れないほどの先行作品の美点を受け継いで、最新の作品は創造される。プロに限らず、少しで…

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(9)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回:第3話 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── 司祭補「う~ん…

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(8)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── ▼翌日──。 正午の鐘 ゴ…

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(7)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── ▼理髪外科院──。 下女…

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(6)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── ▼帝都、大商店街──。 …

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(5)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── ▼夕刻、王宮──。 家臣…

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(4)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── ▼婦人服店──。 女騎士…

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(3)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── ▼帝都、商業区──。 老…

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(2)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── ▼港町、厩舎──。 女騎…

女騎士、経理になる。/第2話「ガバメント・オブリゲーション」(1)

女騎士「くっ……殺せ!」 オーク「がはは!そうはいくか!我らオーク一族は近いうちに法人成りを計画しているからな」 女騎士「法人成り」 オーク「貴様には経理のお姉さんとして我らの繁栄に役立ってもらうぞ」 女騎士「経理のお姉さん」 — Rootport (@rootp…

最強の「プロの犯行」/塚本晋也監督『野火』感想

ニコニコ動画の黎明期には「プロの犯行」というタグが流行った。 第一線で働いている(であろう)プロのクリエイターが、ニコニコ動画に高品質な作品を投稿していた。「野生のプロ」「振り込めない詐欺」……当時のニコ動には、混沌とした熱気が満ちていたよう…

女騎士、経理になる。/第1話「フライド・コカトリス」(8)

────────── ▼最初から読む▼前回▼次回:第2話 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── 黒エルフ「ど…

女騎士、経理になる。/第1話「フライド・コカトリス」(7)

────────── ▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── 肉屋 シーン… 女騎士「そ…

女騎士、経理になる。/第1話「フライド・コカトリス」(6)

────────── ▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── 窓口「では、手形を拝…

女騎士、経理になる。/第1話「フライド・コカトリス」(5)

────────── ▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── 王立商会「さっそくだ…

女騎士、経理になる。/第1話「フライド・コカトリス」(4)

────────── ▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── 幼メイド「おかえりな…

女騎士、経理になる。/第1話「フライド・コカトリス」(3)

────────── ▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── 黒エルフ「25万Gであ…

女騎士、経理になる。/第1話「フライド・コカトリス」(2)

────────── ▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」 ────────── 女騎士(結局、言われ…

女騎士、経理になる。/第1話「フライド・コカトリス」(1)

──────────▼最初から読む▼前回▼次回 ▽プロローグ▽第1話「フライド・コカトリス」▽第2話「ガバメント・オブリゲーション」▽第3話「リテラシー」▽第4話「ウェル・シェイプト・カップ」▽第5話「プライス・オブ・ライフ」▽第6話「エクイティ」▽第7話「ブ…

女騎士、経理になる。─プロローグ─

// 魔王「勇者よ、我が軍門に下れば世界の25%をやろう」勇者「なぜ25%なんだ?世界の半分じゃないのか?」魔王「贈与税の最高税率が50%だからだ」勇者「贈与税」魔王「お前に世界の半分を贈与しても、お前の手に渡るのはそのさらに半分だけ。残りは国税庁…

面白いシナリオって何だろう?

恥ずかしながら未見だった『パルプ・フィクション』を見た。 なんか、今、色々と考えてしまった。 やっぱりデヴィッド・フィンチャーはすごいんだなーとか、そういうこと。 なんていうか、『ファイトクラブ』って最近流行りの脚本の方向性を決めた作品のよう…

いま失敗すれば、日本終了。

// 何の数字か、お分かりだろうか。 2050年における現役世代と老後世代の人口比だ。現在の日本では現役世代2.4人で老人1人を養っている。しかし、2050年にはこれが半分になり、現役1.2人で老人1人を支えることになる[1]。私たちの子供世代は高額の社会保険料…

売れるゲーム、売れないゲーム。

// 評論家と芸術家の違いは「何に注目するか」だと思います。 評論家は、評価対象の「共通点」に注目します。一方、芸術家は創作物の「差異」に注目します。映画評論家の作る映画が面白くないのは、共通点だけを真似して肉付けを変えても、傑作の劣化コピー…

サルでも分かる商売のしくみと経営者の役割

// たとえば、だ。 「100万円のボーナスを出すから大学を辞めて入社してくれ」という会社があるとする。その会社の経営者は、離職率80%という数字を恥ずかしげもなく公表していたとする。 いわく、「大学で勉強したことなど役に立たない」「学費がもったい…

自分の小ささを知る小説/『縮みゆく男』リチャード・マシスン著

リチャード・マシスン『縮みゆく男』を読んだ。スゴ本2014年ベストにも名を連ねていた作品だ。まったく、とんでもない小説を読んでしまった……。 『縮みゆく男』の主人公は、ある日を境に1週間できっちり1インチずつ身長が縮んでいくようになる。職場で大人と…

格差の条件

マニラは夏だった。 「イントラムロスのマニラ大聖堂まで行きたいんだ。いくらですか?」 ビジネス街マカティで、私はタクシーを探していた。窓から顔を突っ込んで尋ねると、20代後半の運転手はぶっきらぼうに答えた。 「1,000ペソ」 「冗談でしょう? 200ペ…

2015年の始めに思うこと/老人に悲観論者が多いわけ

// 毎年、正月が来るたびに悲観論を目にする。 今年も例外ではない。2015年にいいことは1つも起こらず、悪いことばかりが起こる。ここ数年、世界はどんどん悪くなっていて、日本の未来は真っ暗だ──。とくに年配の人ほど、そういう考え方になりがちのようだ。…