デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

批評屋が嫌い(だった)

中学生ぐらいまで、批評屋が嫌いだった。 映画や小説を批評するのみならず、それでメシを食っている人が嫌いだった。 批評家ではない。他人の創作物に“タダ乗り”してカネを稼いでいるのが批評屋だ。作品に対する感想なら誰にだって書ける。感想は一人ひとり…

労働生産性を高める(?)たった一つの冴えたやり方

「朝謡は貧乏の相」という言葉がある。朝から謡を唄っているようなやつは貧乏になるという意味だ。しかし「貧乏暇なし」という言葉が教えるように、忙しい人=豊かな人だとは限らない。むしろ貧乏な人のほうが生活に追われて忙殺されてしまうのが現実だ。 日…

Rootportの創作物まとめ

※ブログで公開している作品を一覧にしてみました。 ※大きく三つのジャンル(一般小説、ライトノベル、二次創作)に分類しました。 ※我ながら「イケてるんじゃね?」とドヤ顔でお見せできる作品から、「あちゃーイマイチ……」と感じる作品まで、かなり玉石混交…

日本人が英語が苦手なのは使う機会がないから、という身も蓋もない話

海外で仕事をするときに、真っ先に必要な語学力ってなんだろう。 自分の意思を伝えるためのスピーキング能力だろうか、書類を読みこなすためのリーディング能力だろうか。これは英語圏に限った話ではない。海外に移住して働く場合から、出張ベースで業務をこ…

『さよならを言うのは』(5/5)

初回:『さよならを言うのは』(1/5) 前回:『さよならを言うのは』(4/5) ■校正中につき非公開■ ◆あとがきのようなもの◆

『さよならを言うのは』(4/5)

初回:『さよならを言うのは』(1/5) 前回:『さよならを言うのは』(3/5) 次回:『さよならを言うのは』(5/5) ■校正中につき非公開■ つづく→ 『さよならを言うのは』(5/5) .

『さよならを言うのは』(3/5)

初回:『さよならを言うのは』(1/5) 前回:『さよならを言うのは』(2/5) 次回:『さよならを言うのは』(4/5) ■校正中につき非公開■ つづく→ 『さよならを言うのは』(4/5) .

『さよならを言うのは』(2/5)

前回:『さよならを言うのは』(1/5) 次回: 『さよならを言うのは』(3/5) ■校正中につき非公開■ つづく→ 『さよならを言うのは』(3/5) .

『さよならを言うのは』(1/5)

前作:『ギムレットには早すぎて』 『さよならを言うのは』 一 けたたましい着信音に、意識が呼び戻される。携帯電話が枕もとで踊っている。八木忠政は跳び起きた。剣道場には布団が敷き詰められ、捜査員たちが死体のように転がっている。実りのない会議を終…

「初音ミクがわからない人」をどうするか

「初音ミクが分からない人」がいる。テレビに映った彼女を指さして「あんなののどこがいいんだ」と言い、100万回再生されたボカロ曲も(当然)知らない。しかし現在、日本のポップカルチャーは世界中で注目を集め、欧米はもとより、シンガポールやタイ、ベト…

最低賃金を2倍にすると何が起こるか

※この記事は移転先ブログ「デマこい!」に転載済みです。 さあ、新聞記者にはできないくらい突飛なことを書こう。学者にはできないぐらいバカげたことを考えよう。なぜなら私はブロガーだからだ。 想像してほしい。最低賃金を時給1,700円に引き上げて、アル…

英語力が欲しいなら英語で読書しろと叱られた話

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「行きたくねえな、インド」 テキサス出身の友人と夕食を食べていた。ステーキを切りながら彼はぼやく。 「マジで行きたくねえわ」 半月後、彼はインドに出張する予定だそうだ。私は首をかしげる。 「ど…

もうイヤだ日本の政治家バカばっか!

インドネシア共和国・ユドヨノ大統領の経歴がすごい。(※1) 陸軍士官学校を首席で卒業後、米国に留学してMBAを取得。「陸軍きっての秀才」と呼ばれ、ボスニア・ヘルツェゴビナ停戦監視においては国連軍の主席軍事オブザーバーを務めた。2004年に同国初の民…

あなたは「人から笑われない趣味」を持っていますか?/小説『アニソンの神様』感想

オタクに対する「偏見」って、いまだにあるのだろうか? 私にはよく分からないが、世間的には「ある」ということになっているらしい。ネットを眺めれば、いわゆるオタクをこじらせた人がたくさんいる。どうせ自分は社会の日陰者だよ……と、ヒネクレテしまった…

グローバル化を敵視するのは、雨雲に怒りをぶつけるようなもの。

一日が24時間であることを嘆いても意味がない。一日の長さが「所与の条件」だからだ。私たちは24時間をうまく活用することを考えなければいけない。グローバル化や少子高齢化も同じだ。ハードランディングを防ぐために手を尽くすべきなのは明らかだが、しか…

「バディもの」として『ゆるゆり』を見る

さて、私はオタクじゃないけど今夜はちょっとだけ『ゆるゆり』について語ろうか私はオタクじゃないけど。 ※知らない人のためにご紹介すると、なもり先生のマンガ『ゆるゆり』は、女の子たちの日常を描くゆるいコメディです。けいおん以降の流れを汲んでおり…

灰皿テキーラを覚えてますか?/ニュースが大量消費される時代のリテラシー

日本人は悲観的な性格をしているらしい。いつの時代のどんな人たちに訊いても、「治安が悪くなっている(ような気がする)」「凶悪犯罪が増えている(ような気がする)」と答えるのだという。不景気な民族だ。 ところが発生件数や発生率に注目してみると、殺…

「東京」という幻想、「地方」というまぼろし

最近の小学生は、魚が切り身のまま海を泳いでいると信じているらしい。夏目漱石は田んぼを指さして「あの青い草はなんだ?」と友人に訊いたという。都会の人間はジャガイモやカボチャの花を見分けることができず、田舎の人間には地下鉄の乗り方が分からない…

日本の「えらい人」は日経新聞を捨ててSF小説を読んでください

「この国には何でもある。ただ希望だけがない」と村上龍が看破したのは1998年のことだ(※1)。明治維新から太平洋戦争開戦までの時代、日本は欧州の列強諸国を追いかけていた。敗戦からバブルまでの時代、日本はアメリカの繁栄を追従していた。日本人にとっ…

海外生活に向いている人、向かない人。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 世界は狭くなった。様々な国や地域の生活ぶりを、リアルタイムで覗き見できるようになった。言葉の壁はあるけれど、翻訳ソフトの高性能化は止まらない。マイケル・ジャクソンがWe are the Worldと歌い上…

夏休みの宿題について、あるいは情報化時代の「知性」のあり方について。

私の趣味はボードゲームで、週末にはどこかのカフェかパブでサイコロを振っている。 ボードゲームはいい。年齢や社会的階層を超えて、いろいろな人と親しくなれる。そんなヘテロな友人たちと先日、夏休みの宿題について語り合った。お互いの思い出話を披露し…

コンテンツよりもコンテクスト?

8月11日のことである。 この日、東京の湾岸部はちょっとしたパニックに陥っていた。東京湾大華火大会とコミックマーケットが重なったのだ。花火大会の動員人数が例年70万人ほど、コミケ2日目の来場者数が約19万人、およそ90万人がちっぽけな埋め立て地に集結…