デマこい!

「デマこいてんじゃねえ!」というブログの移転先です。管理人Rootportのらくがき帳。

2010年・総まとめ

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今年の漢字一文字は、私の場合「迷」です。どうもRootportです。今週のお題に答えるのは初めてです。今年一年を振りかえりたいと思います。


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(前年)6月ごろ『白鳥たちは見えないところでバタ足をする』(けいおん!二次創作)を脱稿。
(前年)12月7日/長編『ヴィーナス・アンダーワールド』着手。


1月24日/長編『ヴィーナス・アンダーワールド』脱稿。約360枚(電撃一次落選)
 →反省「救いのないお話はウケない」「感情の伴わない情景描写は退屈なだけ」


1月29日/弊ブログ“デマこいてんじゃねえ!”開始
2月5日/長編『ブラリナトキシン』着手→中断(5月ごろ)
 →反省:始まりと結末だけ決めて見切り発車しても、面白いお話は作れない。


2月14日/『レベル5じゃ足りない』着手。(とある科学の超電磁砲二次創作)
2月17日/『レベル5じゃ足りない』ブログ公開。約85枚
 →反省:すでに設定ができあがっているモノの場合、執筆速度が上がる。


3月25日/『白鳥たちは見えないところでバタ足をする』ブログ公開。約70枚。


3月28日/『アンモナイト』リライト開始。
4月28日/『アンモナイト』リライト完了。
 →反省:軽い気持ちで始めたら、めちゃくちゃ時間がかかった。あまりにもヒドい出来で、もう二度と読みたくない。


(空白期間)


5月17日/長編『片恋惑星』着手。350枚ぐらいの作品にするはずだった。
6月8日/『片恋惑星』の第一章を脱稿(全体の1/4)
6月28日/『片恋惑星』中断
 →反省:サブプロットや感情曲線という考え方が、まだうまく飲み込めていなかった。各エピソードが淡白すぎてつまらないと気づいてしまった。


(空白期間)


7月15日/『さよならを言うのは』執筆開始→中断(8月18日)
 →反省:プロットを立てる段階で「真相」ばかりに気を取られた。メインプロットを煮詰めずに書き始めてしまった。


(いろいろと行き詰る)


8月19日/掌編『私はいかにして美人局を見抜き逃げ出すに至ったか』をブログにて公開
9月6日/同作品を小説投稿サイト“作家でごはん”へ投稿。けちょんけちょんにダメ出しされる。
 →やる気再燃。


9月23日/短編SF『空のかなたで菩提樹が』を“作家でごはん”へ投稿。構想から脱稿まで三日ぐらいだった。
10月16日/『ギムレットには早すぎて』を“ごはん”へ投稿。約141枚。
 →三年くらい前に書いた作品をリライトしたもの。「ソフトボイルド・シリーズ」の一作目。


11月4日/同人誌企画JAS-SKY-MOKKORへのお誘いを受ける。二つ返事で参加。嬉しさに小躍りする。
11月9日/『さよならを言うのは』脱稿。約151枚。“ごはん”へ投稿。ソフトボイルド・シリーズの二作目。
11月24日/短編ホラー『明日の犠牲者』を“ごはん”へ投稿。約33枚。
 →すでに何度も友達に語り聞かせていた「怖い話」を、小説のカタチにしてみた。プロットの段階で人に話しておくと、イメージが固まってとても書きやすくなることが解った。ほぼ一晩で書きあげることができた。


12月16日/『優しくなければ生きていけない』を“ごはん”へ投稿。約148枚。ソフトボイルド・シリーズ三作目。
 →プロットの段階で誰かに聞いてもらう、という作業を行ってみた。またキャラクターの描き方としてリトマス法を意識的に使ってみた。



 ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆



創作活動を再開して一年ちょっとになる。2009年11月末、抑圧していた「書きたい欲求」が一気に暴走した。一週間で240枚を書いたりした(ただし自己顕示欲の塊みたいな文章で、とても「作品」としてカウントする気にはなれない)。
2010年は『ヴィーナス・アンダーワールド』と共に始まった。当時の私の精神状態がそのままストーリーに反映されている。あまりにも暴力的だし、息苦しくて救いがない。だけど私にとってはすごく愛着のある作品なので、いつか再挑戦するかも。
今年の前半は無茶な執筆計画を立て、頓挫してばかりいる。『ヴィーナス・アンダーワールド』をわりと素早く書きあげることができたので、自分の執筆能力を過大評価してしまった。作文速度には波があり、いつでも最高出力をキープできるわけではない。それを学んだのが今年の前半。
夏場は懊悩の時期だった。執筆が中断する→人に読ませることができない→フィードバックを得られない→モチベーションが上がらない→執筆が中断する……(以下無限ループ) 小説に限らず、お話作りとはコミュニケーションの一形態だと思う。相手の反応があってこそ、書きたいという欲求が生まれる。「駄作だ!」というお叱りだって、無視されるよりはマシだ。
だから思い切って小説投稿サイトに再び出入りするようになったのは、結果的にはとても良かった。もらえる感想がすべて的を射たものとは限らないけれど、「読んでもらえた」という事実の方が重要だ。二週間に一時度という投稿回数の制限も、逆にコンスタントに作品を書き上げようという目標に繋がった。
なにより、この一年でもっとも大きな収穫は、仲間が増えたことだ。ネット上だけの薄いつながりではなく、お互いの顔を知っている仲間ができた。これは本当に大きな変化だ。

今年一年間を総括すると、いままでの成功作・失敗作を見直して「小説の書き方」を固める一年間だったと思う。一定の速度で作品を脱稿し続けるためのコツを掴むことができた(と思っている)/とくに十月から投稿をはじめた「ソフトボイルド・シリーズ」は、よくある設定をうまく組み合わせることに重点を置いた。お約束的展開をマスターするための作品という位置づけだ。現在執筆中の四作目『ソフト・ボイルド』で、このシリーズは一旦完結させる。この年末年始の休み中に脱稿できればいいなー、なんて考えている。
来年はいよいよ、長編小説で自分の書きたいモノに再チャレンジする。高校生のころに丸一年かけて書いた290枚の作品『かごめ』を、現在の技術で書きなおすのが当面の目標だ。コアになるアイディアだけをそのままに、まったくの新作として書くつもり。五月の『このミス』に間に合えばいいなぁ。/今年は、150枚規模の作品を定期的に書けるようになった。来年は倍の300枚規模を安定供給できるように頑張りたい。この枚数が書けないと、ある意味“お話にならない”からね!





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